人間AI協働機構研究チーム
チーム概要
🏴チームの主な研究テーマ
画像認識技術による医療診断支援
近年、人工知能(AI)技術は深層学習の発展に伴い飛躍的な進化を遂げ、いくつかの医療用AI技術が実用化され、実臨床現場で使われ始めています。しかし、応用が進んでいる分野は、AIを学習するためのデータとそのラベルを多く集められる分野に偏っており、検査数の少ない診療科や患者数の少ない希少症例などでのAI応用は進んでいません。本来、AI活用による診断支援は、医師が少ない診療領域や判断の難しい症例などにこそ必要で、医師の負担を減らし、経験や知識の不足を補う支援ツールとして活用されるべきです。そこで、私たちは、検査数や対象の症例数などに左右されることなく導入可能なAI技術の確立を目指し、少量データでAIを構築する画像基盤モデルの研究開発に取り組んでいます。

インフラメンテナンスにおける異常検知技術
社会インフラや産業インフラの点検や調査では、打音試験や近接目視、触診などが一次検査として広く行われ、異常が発見された場合には、その後の経過観察や精密な機器による二次検査に進みます。ここで重要なのは一次検査で異常を見落とさないことなのですが、検査員の経験や感覚に依存していることや、熟練検査員の数は高齢化に伴い減少していくことなどの問題点があります。そこで私たちは、コンクリート構造物の打音検査や、水道管、回転機械などの異常振動の検査のIT化に取り組んでいます。検査員の五感に頼らず、機械学習に基づく解析技術により検査結果を定量化することで、異常の見落としにつながる検査品質のバラツキやミスを防止します。


野里 博和
研究チーム長
インフォメーション
機械学習機構研究チームでは、10/26(土)に開催される、産総研・臨海副都心センターの一般公開にて、「がんを見つける医者になれるかな」と題した体験ブースを出展します。医療現場でも実際に使われる内視鏡システムを使って、疑似臓器の中からAIの助けも借りてがんを模した病変を見つける、体験型のブースとなっています。
https://www.aist.go.jp/waterfront/ja/news/exhibition2024.html
機械学習機構研究チーム野里博和研究チーム長、KimWonjik研究員らは、2種類の数式を併用して構築した画像基盤モデルにより専門医に匹敵する膀胱内視鏡診断支援AIの開発に成功しました。この技術の詳細を、来週アメリカで開催される国際会議EMBC2024で発表します。
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2024/pr20240712/pr20240712.html
野里博和 機械学習機構研究チーム長らとの共同研究成果"次世代膀胱内視鏡診断支援システムの開発"に対し、筑波大学附属病院 池田篤史先生が2023年度日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会阿曽賞(泌尿器内視鏡学の進歩と発展に貢献し、今後の更なる展開が期待される会員に送られる賞)を授与されました。
論文リスト
上原 和樹, 坂無 英徳. 病理診断支援における説明可能AI. Medical Imaging Technology. 2021, Vol. 39, no. 3, p.105-109.
鈴木 藍雅, 柳本 貴司, 中村 良平, 坂本 成弘, 坂無 英徳. 深層畳み込みニューラルネットワークによる建物外装石材画像からのひび検出. 日本建築学会技術報告集. 2021, Vol. 27, no. 66, p.1086-1091.
Izumi Takeuti. "Formalisation of Bayesian Concealment,". Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics. 2021, vol. 38, no. 2. p. 677-692.
研究者紹介
写真 | 役職&名前 | 専門分野 | メールアドレス HP |
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研究チーム長 野里 博和 |
人工知能を用いた医用画像診断支援システムの開発, 少量学習データでも容易に構築・導入できる人工知能技術の開発 | |
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主任研究員 一杉 裕志 |
脳型人工知能の研究開発 | |
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主任研究員 岩田 昌也 |
AIを用いた社会インフラ構造物における打音解析技術の開発 | |
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主任研究員 香川 璃奈 |
AIをつくる・つかう人間の科学 | |
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研究員 Kim Wonjik |
人工知能を用いたセンサーデータ解析技術の開発, 少量の学習データで構築・導入できる人工知能技術の開発 | |
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研究チーム付 竹内 泉 |
論理学 主務)総務本部 DEI人事部 人材マネジメント室 キャリア開発サポートグループ [企画主幹] |
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研究チーム付 小栗 朋子 |
化学物質の曝露評価・健康影響評価手法の精緻化、男性妊孕性研究、男性不妊の社会的受容性評価 主務) エネルギー・環境領域 安全科学研究部門 排出暴露解析グループ [主任研究員] |
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研究チーム付 谷村 勇輔 |
主務) 情報・人間工学領域 デジタルアーキテクチャ研究センター 超分散アーキテクチャ研究チーム [研究チーム長] | ||
研究チーム付 中村 良介 |
主務) 情報・人間工学領域 人工知能研究センター [総括研究主幹] | ||
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リサーチアシスタント(東邦大M1) 金子 俊太 |
膀胱内視鏡検査動画からの観察マップ生成 | |
リサーチアシスタント(筑波大M1) 慶野 修也 |
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リサーチアシスタント(筑波大M1) 杉山 幸大 |
医用画像の特性を用いた自己教師あり学習 | ||
リサーチアシスタント(筑波大M1) 渡邉 聖人 |