行列式基準とDC計画法による解析スパース符号化

機械学習基盤モジュール

研究のポイント

行列式で表現されるスパース性基準を用いたスパース符号化法​
非凸な最適化問題を解くためにDC計画法を利用することで高速な計算を実現

キーワード:
  • 解析スパースコーディング
  • DC計画法

モジュール・データの概要

脳波や筋電などの生体情報、プラントなどの製造プロセス、ビルやロボットの状態の計測で得られる情報、などは実世界から得られる時系列データの典型的なものであり、近年、様々な IoTセンサの開発と普及により、その利活用へのニーズが高まっている。​
そうした時系列信号処理の代表的な手法としてスパースコーディングががあるが、その分野でよく用いられている合成的スパースコーディングに加えて、解析的スパースコーディングの手法が提案されて、アルゴリズムが開発されている。多くの既存手法では、L0 ノルムをスパース性の基準として用いる手法が用いられているが、計算に時間がかかるという問題があった。​
そこで、解析スパースコーディングのためのスパース性の評価のための、行列式で表される基準を提案した。Difference of Convex (DC) 計画法を用いることで、エッジデバイス上でも高速に動作するスパースコーディング手法を開発し、モジュール化した。

MATLAB のソースコードを公開
https://github.com/aistairc/ASR_DET_DC

手法の詳細の論文
Yujie Li, Benying Tan, Atsunori Kanemura, Shuxue Ding, and Wuhui Chen, "Analysis sparse representation for nonnegative signals based on determinant measure by DC programming", Complexity, vol. 2018, 12 pp., 2018. DOI: 10.1155/2018/2685745​

想定されるアプリケーション

画像の雑音除去、1人称ビデオのキーフレーム抽出、視線予測、など様々なデータのスパースコーディングの応用に利用可能。特に、エッジデバイスでの処理や高速性が必要な応用に特に有効。

既存手法よりも約 1,000倍高速​
研究開発プロジェクト NEDO 次世代人工知能・ロボット中核技術開発の成果
研究機関 国立研究開発法人 産業技術総合研究所
主要研究者 Yujie Li(産業技術総合研究所、現 桂林電子科技大)​