セミナー情報
【第91回産総研人工知能セミナー】学ぶ脳と身体、そしてAI
脳がどのように身体を動かし、経験を通して学習していくのか。その根本的な仕組みを、デジタル脳モデル、運動制御のメカニズムや適応過程、道具使用の学習、乳児期の発達といった多様な視点で各専門の研究者からご紹介いただきます。さらに、理論・実験・応用を横断的に俯瞰し、AI研究にも通じる「学ぶ脳と身体」の原理を理解することを目指します。
【主催:デジタルヒューマン研究チーム 多田 充徳 研究チーム長】
| 名称 | 【第91回産総研人工知能セミナー】学ぶ脳と身体、そしてAI |
|---|---|
| 日時 | 2025年12月3日 (水) 10:00 - 12:00 |
| 受付時間 | 接続可能時間 9:50 - 12:00 |
| 場所 | Zoomウェビナーによるオンライン開催 ※お申し込み後、自動配信されるメールにて会場URLをご案内いたします。 |
| 定員 | 1000名 |
| 参加費用 | 無料 |
| 連絡先 | 人工知能セミナー窓口 |
注意事項 ・定員になり次第締切ります。・産総研は、お送りいただいた情報をセミナー運営以外の目的には使用しません。 ・講演の録画やアップロードはご遠慮ください。 |
|
プログラム
| 10:00 - 10:05 | イントロダクション 市村大輔(産業技術総合研究所 研究員) |
|---|---|
| 10:05 - 10:30 | 小脳学習機構の再検討 山﨑 匡(電気通信大学 准教授) |
概要 [1] https://doi.org/10.1093/pnasnexus/pgaf302 |
|
|
略歴
1996年電気通信大学電気通信学部情報工学科卒業。1998年東京工業大学大学院情報理工学研究科計算工学専攻修士課程修了。2002年同研究科数理・計算科学専攻博士課程修了。博士 (理学) 取得。2002年より理化学研究所脳科学総合研究センター研究員。2012年より電気通信大学大学院情報理工学研究科情報・通信工学専攻助教。2017年より同研究科情報・ネットワーク工学専攻准教授。現在に至る。日本神経科学学会、日本神経回路学会、Society for Neuroscience各会員。 小脳の情報処理機構に関する理論研究と、大規模神経回路シミュレーションの研究に従事。文部科学省「富岳」成果創出加速プログラム「脳結合データ解析と機能構造推定に基づくヒトスケール全脳シミュレーション」課題代表。2021年末に神経回路シミュレーションに関する教科書を上梓した (理化学研究所計算科学研究センター 五十嵐潤博士との共著)。 |
|
| 10:30 - 10:55 | 「意識」と「無意識」がつくる運動のしくみ 小杉 亮人(国立精神・神経医療研究センター 特任研究室長) |
概要 私たちのこれまでの研究から、大脳皮質が反射を巧みに活用することで、望ましい運動を実現していることが明らかになってきました。本講演では、このような脳と反射、意識と無意識の相互作用を通して、「動くこと」の根本的なメカニズムに迫ります。 |
|
|
略歴
2015年4月-2018年3月 慶應義塾大学大学院理工学研究科 後期博士課程 2018年4月-2019年3月 慶應義塾大学大学院理工学研究科 研究員 2019年4月-2023年5月 国立精神・神経医療研究センター神経研究所 流動研究員 2023年6月-現在 国立精神・神経医療研究センター神経研究所 特任研究室長 |
|
| 10:55 - 11:20 | 道具の長期訓練による運動学的・知覚的変化 板口 典弘(慶應義塾大学 准教授) |
概要 |
|
|
略歴
2013年に 早稲田大学文学部にて博士号(文学)取得,早稲田大学文学学術院助手,日本学術振興会特別研究員PD(札幌医科大学,慶應義塾大学),静岡大学情報学部助教,慶應義塾大学文学部助教等を経て,2023年より同大学准教授。 |
|
| 11:20 - 11:45 | 脳-身体-環境モデルで捉える行動・認知の初期発達 金沢 星慶(東京大学 特任助教) |
概要 本講演では、この「発達の起源」を理解するために、脳・身体・環境を統合したシミュレーションモデルに基づく構成論的なアプローチを紹介する。独自に開発した皮膚・筋骨格・神経を備えた乳児身体モデル(EMFANT)を中心に、環境との相互作用を再現することで、乳児の自発運動がどのように感覚運動情報を構造化し、知覚や行動、認知の萌芽へと展開していくかを検証する。また、実際の乳児計測データとの融合を通じて、モデルと現実の対応を探りながら、発達過程を再現可能な現象として定式化する試みを示す。 この「脳‐身体‐環境モデル」に基づく研究は、初期発達の理解を超えて、AIにおける身体性や自律的学習の原理の再考にもつながる。行動と認知がいかに動く身体から立ち上がるのか――その生成のメカニズムに迫りたい。 |
|
|
略歴
2008年京都大学医学部保健学科・理学療法学専攻卒業、2014年京都大学大学院医学系研究科・発達小児科学講座修了(医学博士)、2015年から東京大学大学院情報理工学系研究科・知能機械情報学専攻にて、JSPS特別研究員PDを経て,特任助教,東京大学次世代人工知能センター兼任,2024年よりJSTさきがけ専任研究者となっている。ヒトの感覚運動システムの初期発達の研究を進めており,神経生理学的手法や運動計測を用いた実験、身体モデルや脳神経モデルを用いたシミュレーション、およびそれらの融合を進めている。 |
|
| 11:45 - 12:00 | 質疑応答&パネルトーク 山﨑、小杉、板口、金沢 |

