人体特性文献データベース|3.身体慣性特性文献-岡田、阿江、藤井、森丘 1996

人体特性文献データベース

日本人高齢者の身体部分慣性特性

文献名日本人高齢者の身体部分慣性特性
雑誌名バイオメカニズム13(1996)125-139
著者岡田,阿江,藤井,森丘
アイテムM COG I
状態被験者
サンプル数男子90 女子89
性別男女
年齢男子62-86 女子61-83
測定年不明
人種日本人
測定場所日本
方法写真撮影法
生データ不可

(1)セグメント分けの定義

頭部、体幹上部、体幹下部、上腕部、前腕部、手部、大腿部、下腿部、足部の15セグメント.阿江(1992)と同じ分割定義

01
  1. 頭部-体幹上部
    ノド点
  2. 体幹上部-体幹下部
    第10肋骨下端
  3. 体幹部-上腕部
    肩峰
  4. 上腕部-前腕部
    橈骨頭上縁付近
  5. 前腕部-手部
    尺骨茎状突起遠位端と橈骨茎状突起遠位端の中点
  6. 体幹部-大腿部
    大転子上縁の大腿骨頭の中心
  7. 大腿部-下腿部
    立位時の膝蓋骨中点レベルの脚前後幅の中点
  8. 下腿部-足部
    内果下端レベルの外果と内果の中点

(2)部分長の定義

  1. 頭部
    頭耳高(頭頂から耳珠までの距離)
  2. 体幹部
    胸骨上縁と両大転子の中点を結ぶ線分の長さ
  3. 体幹上部
    胸骨上縁と両肋骨下縁の中点を結ぶ線分の長さ
  4. 体幹下部
    両肋骨下端の中点と両大転子の中点を結ぶ線分の長さ
  5. 足部
    つま先から踵骨隆起までの距離

(3)回帰式等のモデル

質量質量中心比慣性モーメントを従属変数とし、年齢、身長、体重、部分長を独立変数としてステップワイズ法による重回帰分析

(4)精度検証

重回帰式により予測された体重と実測体重の平均誤差により検証
→男子 0.07±0.54%、女子 0.01±0.45%



回帰式等のモデル(詳細)

質量

下表は回帰式の係数を表す。
・年齢(歳)、身長(m)、体重(kg)、部分長(m)を独立変数として体節質量(kg)を従属変数としてステップワイズ重回帰分析。
例)頭部質量(kg)=0.29733+0.03502×体重(kg)+19.40059×頭耳高(m)

男子


女子



質量中心比

下表は体節の部分長に対する、体節の上端から質量中心位置までの距離の比の平均を表している。
・年齢(歳)、身長(m)、体重(kg)、部分長(m)を独立変数として質量中心比(%)を従属変数としてステップワイズ重回帰分析。
注)前腕部、下腿部、足部は4つの独立変数が有意な回帰係数を持たなかったため、表中の定数の箇所に質量中心比の平均値を示した

男子


女子



慣性モーメント

下表は回帰式の係数を表す。
・年齢(歳)、身長(m)、体重(kg)、部分長(m)を独立変数として慣性モーメント(kg・cm)を従属変数としてステップワイズ重回帰分析。
注)・各体節の座標系は質量中心位置を原点とし、前額軸(左右軸)をX軸、矢状軸(前後軸)をY軸、長軸をZ軸と定義
 ・kg・m2に単位換算するときは10000で除す必要がある。
例)X軸周りの頭部慣性モーメント(kg・cm2)=-275.66+2.9967×体重(kg)+2619.9×頭耳高(m)

男子


女子


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