AIST日本人の手の寸法データ

はじめに
本データは2004年~2011年に日本人男女530名について計測された、72項目の手の寸法の男女別統計量です。個別データは公開しません。
産業技術総合研究所 デジタルヒューマン工学研究センターでは、デジタルハンド(手のコンピュータマネキン)の研究を進めてきましたが、この過程で、日本人の手のサイズとプロポーションの個人差を代表するような仮想形状を作ることになりました。本データベースは、日本人の手の個人差を代表する仮想形状がもつべき寸法を計算するために、計測したものです。
目次
- (1)調査の概要 調査の背景や被験者に関する情報がわかります。
- (2)寸法項目一覧 計測項目の名称リストです。各項目は、その項目の定義の図解や統計量のページにリンクされています。項目ごとに、ダウンロードすることができます。
- (3)統計量 全項目の、性別の統計量の表を見る事ができます。
引用について
本データを引用する際は、下記のように引用して下さい。
河内まき子、2012:AIST日本人の手の寸法データ。https://www.airc.aist.go.jp/dhrt/hand/index.html
(1)調査の概要
1.計測目的
日本人成人の手のサイズとプロポーションの個人差を明らかにし、それを代表するような、仮想形状を生成するため。
2.計測時期
2004年11月~2011年12月
3.被験者の概要
被験者は、18~64歳の健常な日本人です。年齢分布は表1のとおりです。
自己申告による利き手を一部の者(男女とも約80%)について調べました(表2)。
自己申告による身長、体重を表3に示します。平均身長、平均体重は、男女とも、文部科学省による平成20年度体力・運動能力調査報告書による20~44歳のグループと大差がありません。
表1.被験者の年齢分布
年齢 | 男性人数 | 女性人数 |
---|---|---|
18-19 | 5 | 0 |
20-24 | 105 | 35 |
25-29 | 45 | 49 |
30-34 | 46 | 41 |
35-39 | 40 | 35 |
40-44 | 22 | 26 |
45-49 | 24 | 10 |
50-54 | 19 | 3 |
55-59 | 17 | 4 |
60-64 | 4 | 0 |
合計 | 327 | 203 |
表2.自己申告による利き手
A. 人数
右利き | 左利き | 左右利き | 合計 | |
---|---|---|---|---|
男 | 239 | 20 | 1 | 260 |
女 | 157 | 8 | 0 | 165 |
B.パーセント
右利き | 左利き | 左右利き | 合計 | |
---|---|---|---|---|
男 | 91.9 | 7.7 | 0.4 | 100 |
女 | 95.2 | 4.8 | 0.0 | 100 |
表3.被験者の基本情報
A. 男性
項目 | 人数 | 平均値 | 標準偏差 | 最小値 | 最大値 | 中央値 |
---|---|---|---|---|---|---|
年齢(年) | 327 | 33.0 | 11.4 | 18.0 | 64.0 | 31.0 |
身長(cm) | 326 | 171.6 | 5.7 | 156.0 | 189.0 | 171.2 |
体重(kg) | 325 | 67.8 | 9.6 | 43.0 | 105.0 | 67.0 |
BMI | 326 | 23.0 | 2.7 | 15.8 | 35.6 | 22.9 |
B.女性
項目 | 人数 | 平均値 | 標準偏差 | 最小値 | 最大値 | 中央値 |
---|---|---|---|---|---|---|
年齢(年) | 203 | 32.7 | 8.2 | 20.0 | 58.0 | 32.0 |
身長(cm) | 203 | 158.9 | 5.2 | 148.0 | 172.0 | 158.9 |
体重(kg) | 202 | 52.0 | 6.6 | 39.0 | 80.0 | 51.0 |
BMI | 202 | 20.5 | 2.3 | 16.6 | 32.9 | 20.4 |
4.計測項目
身長と体重は本人の申告によります。
計測項目数は、計測時期により異なります。
すべて伝統的方法で計測しました。周長は幅5mmの巻尺で、その他の項目はジョーの先端部を人体計測用に加工したデジタルノギス(ミツトヨ製Digimatic)で計測しました。計測はすべて同一人が行いました。
項目種類 | 項目数 |
---|---|
長さ | 22 |
幅 | 13 |
厚み | 16 |
周長 | 6 |
指先の項目 | 15 |
合計 | 72 |
5.計測した側
利き手によらず、右側を計測しました。
6.データの編集
デジタルノギスで計測された項目は、コンピュータに自動入力されるので、データの編集を行いませんでした。巻尺で計測した項目は、互いに相関の高いと思われる2変数に基づく散布図を見てはずれ値を調べました。はずれ値は調査シートを見て入力ミスであるか否かを調べ、入力ミスの場合は修正しました。正しい値であるという根拠がない場合は、異常データとして削除しました。被験者数が全項目で等しくない場合は、この理由によります。
7.統計処理
統計量の計算にはExcel for Mac, version 11.5を使いました。
8.文献
本データの一部は、下記の分析に用いました。
- Kouchi, M., N. Miyata and M. Mochimaru, 2005: An analysis of hand measurements for obtaining representative Japanese hand models. SAE 2005 Transactions Journal of Passenger Cars ? Electronic and Electrical Systems, 854-858. (SAE Technical Paper 2005-01-2734)
- Miyata, N., M. Kouchi, M. Mochimaru, 2008: Generation and validation of 3D links for representative jand models. SAE 2007 Transactions Journal of Passenger Cars - Electronic and Electrical Systems, 888-894. (SAE Technical Paper 2007-01-2512).
- 高橋拓也・青木義満・河内まき子・持丸正明、2010:解剖学的構造としわを手がかりとした手部寸法の画像計測。電気学会論文誌、130(4),sec. C.: 686-695.
- Miyata, N., Y. Motoki, Y. Shimizu, Y. Maeda, 2011: Individual hand model to reconstruct behavior from motion capture data. Proceedings of the IEEE International Conference on Robotics and Automation1951-1956.
お問い合わせ
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 AIST人体寸法・形状データベース 公開データ担当
〒135-0064 東京都江東区青海2-3-26 産業技術総合研究所臨海副都心センター 本館3階
電話:03-3599-8201 FAX:03-5500-5233
公開データ・研究内容に関するお問い合わせ:dhrc-liaison-ml*aist.go.jp(*を@に変更して送信下さい。)