
空間の移動
自由で安全な移動を実現するための次世代の技術を開発します。
「地球全域の監視」「スマートな移動」
モータリゼーションの20世紀を経て、人類は新たな移動手段を模索しています。キーワードは、「自由で安全な移動」。これを実現するため、人工衛星・航空機・ドローン・自動運転車といった、あらゆる移動体からの観測情報をつなぐ新たな仕組みを構築し、その移動の効率化を支援します。この分野においては、大きく分けて、「地球全域の監視」「スマートな移動」の2つの研究テーマがあります。
当分野では、機械学習を駆使して衛星画像から地上の施設を高精度で検出する技術、走行車両や自律移動ロボットを用いた3次元地図自動作成技術などの開発が進んでいます。
【1】地球全域の監視
小型化技術のイノベーションによって、数百機におよぶ超小型人口衛星の観測網が実現しつつあります。この観測網から得られる膨大なデータは、もはや人間が処理することができないため、人工知能によって解析するしかありません。巨大な衛星画像データから有用な情報を効率的に収集するため、地上の全ての物体/イベントを自動検出するシステムを構築し、ビジネス化を推進します。【2】スマートな移動
自動運転車の技術開発が進む一方、人が運転する車との共存を実現するには、周囲の状況をより人間に近い形で理解することが求められます。そのためには、周囲に存在する人・物体に関する意味情報をリアルタイムで正確に把握する技術が必要です。そこで、動的な3次元環境情報を収集・分析し、地図情報として再構築することにより、自律移動技術を支援する研究を進めています。当分野では、機械学習を駆使して衛星画像から地上の施設を高精度で検出する技術、走行車両や自律移動ロボットを用いた3次元地図自動作成技術などの開発が進んでいます。
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Theme1衛星画像を用いた地上施設の自動検出
機械学習、および深層学習(ディープラーニング)の技術を用いて、人工衛星から送られてくる膨大な画像データを完全に自動で分析します。単一の画像上で「太陽光発電施設」など特定の対象を同定するだけでなく、長期的な観測から地上の変化を検出し把握することができるようになります。 -
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Theme2走行車両による3次元地図自動作成
観測点群と既存地図の重ね合わせによる3次元地図自動作成の新手法を開発しています。これを用いることで、累積する観測データの“歪み”が減り、より正確な3次元地図が作成できます。この技術は、自動運転の実用化に向けた応用が期待されています。 -
今後の展望
- 現実の時空間構造を仮想空間に忠実に対応させる複合現実プラットフォームの開発
- 自動運転車の周囲に存在する物体の行動予測