セミナー情報
【第57回AIセミナー】「人工知能の社会実装における理想と現実」
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2022年8月は「人工知能の社会実装における理想と現実」をテーマに、人工知能の社会実装事例についてご紹介します。日々、研究レベルでは新たな人工知能技術が生み出されています。しかし、実際に社会実装をする過程では、研究環境のような理想的な条件が揃わないことが多く、人工知能をそのまま適用することは難しいため、個々の制約条件に合わせて人工知能を実装していく必要があります。学習に必要な十分な量の教師データが収集できないことや、数は集まっても計測条件が揃った質の良いデータが揃わないことだけでなく、事業化におけるコスト的な制約や実装機器のリソース的な制約など、理論と実装の狭間に多くの課題が存在します。そこで、今回のAIセミナーでは、実際に社会実装に取り組んでいる3名の講師に、各分野での社会実装の事例紹介や、実装上の苦労話や克服するための工夫、汎用的に活用できる基盤的な技術など、人工知能の社会実装における理想と現実について、ご講演いただきます。
名称 | 【第57回AIセミナー】「人工知能の社会実装における理想と現実」 |
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日時 | 2022年8月31日(水) 15:00 - 17:00 |
受付時間 | 接続可能時間:14:50-17:00 |
場所 | Zoomウェビナーによるオンライン開催 ※お申し込み後に自動配信されるメールにて参加URLをご案内いたします。 |
定員 | 500名 |
参加費用 | 無料 |
連絡先 | 人工知能セミナー窓口 |
注意事項 ・定員になり次第締切ります。・産総研は、お送りいただいた情報をセミナー運営以外の目的には使用しません。 ・講演の録画やアップロードはご遠慮ください。 |

プログラム
15:00- 15:05 | オープニング 野里 博和(人工知能研究センター 機械学習機構研究チーム 研究チーム長) |
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15:05- 15:40 | 社会の安全・安心を支える顔認証技術 森下 雄介(日本電気株式会社 バイオメトリクス研究所 主任研究員) |
概要 |
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略歴
2008年、筑波大学大学院システム情報工学研究科コンピュータサイエンス専攻博士前期課程修了。同年、NEC入社。入社後は顔認証技術、特に顔検出技術、顔特徴点検出技術に関する研究開発に従事。米国国立標準技術研究所(NIST)による顔認証ベンチマークテストで、これまでにNo.1の複数回の獲得に貢献。2016年から事業部門である顔認証技術開発センターを兼務し、NECの顔認証技術を応用した製品「NeoFace」の事業化に貢献。令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰において科学技術賞(開発部門)を受賞。 |
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15:40- 16:15 | 半導体製造プロセスにおけるAI活用の理想と現実 松縄 哲明(キオクシア株式会社 主務) |
概要 |
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略歴
2008年筑波大学大学院システム情報工学研究科コンピュータサイエンス専攻修了。博士(工学)。同年株式会社東芝入社。2013年から2015年にかけてテキサス大学オースティン校客員研究員。東芝メモリ株式会社を経て、現在キオクシア株式会社にて計算機リソグラフィ技術の研究開発に従事。 |
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16:15- 16:50 | 事業化という観点からの目視検査自動化の理想と現実 伊藤 桂一(株式会社アダコテック 取締役CTO) |
概要 製造業において外観検査の自動化ニーズは高く、これらの技術を活用した検査自動事例も報告されている。 しかしながら、外観検査の自動化を事業として考えた場合、多くの理想・現実のギャップがある。 本発表では弊社が感じた理想と現実と現実に対する取り組みについて紹介する。 |
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略歴
アダコテック創業エンジニア。大学院で遺伝的アルゴリズムの研究を行うにあたり産業技術総合研究所(AIST)との繋がりを持ち、AISTベンチャーに新卒入社。半導体設計ツールに研究開発に従事した。その後、AISTの非常勤職員などを得て、2012年4月にアダコテック創業メンバーとなる。2015年より現職。技術組織のマネジメントに加え、HLACの研究開発や、データ分析・コンサルティング業務に従事。「CTO of the year 2020」ノミネート。 講演資料
PDF: 2,214KB |
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16:50- 17:00 | クロージング |
質疑応答 | 【質疑応答】 -------------------- ■HLACはRGB256諧調の高密度pixel画像の欠陥検出にも対応できますでしょうか? 検出できる欠陥の最小画素サイズはどの程度でしょうか? (回答) カラー画像に対応可能です。ただ、特徴量の次元数が増大するためにグレースケールで対応するようにしています。また、欠陥の最小サイズは面積で25ピクセルをひとつの基準としています。 ■AIQuest卒業生ですが、中小企業に納品したコードは使われていないようです。 中小企業にAIを普及させる良き方法は有りそうでしょうか? (回答) いきなり完全自動化を目指さず省人化など段階的に効果を得ていくような形をとっていくのが好ましいと考えます。 ■異常の閾値は使うユーザ側が設定するのでしょうか? (回答) 推奨値の提示は行いますが、ユーザ側で調整する事も可能です。 ■現状の目視AI技術は、やはり未だ、実装へ向けてのPoC等フェーズなのでしょうか? それとも、事業者は、既に、市場に出回るサービスとして、通常業務の一貫で装備しているのでしょうか? (回答) 市場に出回るサービスはいくつか存在し、実際に導入されているケースもあります。 ただ、特定サービスを使って全社的に検査を自動化したみたいな事例はなく、タスクごとに活用するサービスを選定して数年の時間をかけて導入していくようなケースが多いと思います。 ■泥臭い部分の対応も含めて、ユーザー・ベンダー双方納得が行く形で事業化していけると、この辺りの実装が加速しそうですね。 (回答) それが理想だと思います。 ユーザー・ベンダーに加えてユーザ仕入れ先企業様にも関わって頂き納得いく検査を実現できると、より理想な形態になってくると思います。 ■再学習が不要なアルゴリズムは実現可能でしょうか (回答) 運用開始後に破壊的な環境変化が起こりえる以上、結構難しい問題だと考えています。しかしながら、再学習をユーザに意識させない仕組みをシステムとして提供できる可能性はあると思います。 |