高齢者の生活機能変化に配慮した安全に関するユニバーサルデザインの実現に向けて(オンライン開催)

(経済産業省 令和2年度産業保安等技術基準策定研究開発等事業 「高齢者向け製品の安全性規格等検討事業」)


国立研究開発法人産業技術総合研究所
人工知能研究センター 北村 光司


 「人生100年」の超高齢社会の到来が迫る中、高齢者が長く健康に働き、生活できる経済社会環境の実現が求められています。そのためには、既存の経済社会システム、制度から個人の生活レベルで利用するサービス・製品に至るまで、社会の各界・各層で新たな時代への対応を進めていく必要があります。

 当事業では、超高齢社会の中で増加が予測され、特に重篤化する傾向にある高齢者の製品関連事故を防止するために、高齢者特有の行動特性等を踏まえた製品開発設計の考え方を事業者へ浸透させること、また高齢者自身や周囲のケアラーがより安全な製品を適切に選択することを目指しています。


 人生100年を前提とした新たな経済社会システムを支えるため、平成29年から高齢者にとって安全性の高い製品・サービス開発を産み出すために必要なデータを収集し、平成30年3月に「高齢者行動ライブラリ」として公表、その後もリニューアルを実施してきました。また、昨年度は「高齢者行動ライブラリ」や公共機関の高齢者事故データ、有識者の助言等から、製造事業者・高齢者向けサービス事業者等に向けた、高齢者の特性を踏まえた製品関連事故防止のための「高齢者の生活機能変化に配慮した安全に関するユニバーサルデザインの実現に向けて」を策定しました。高齢者自身やケアラー等に向けては、適切な製品の選択や利用のポイント等を記載した「高齢者製品事故防止に関するハンドブック」を作成致しました。


 今回、より多くの皆様に周知させて頂き、ご活用いただけるよう、「高齢者の生活機能変化に配慮した安全に関するユニバーサルデザインの実現に向けて」、「高齢者製品事故防止に関するハンドブック」、及びリニューアル版「高齢者行動ライブラリ」を紹介するセミナーを、令和3年3月5日(金)にオンライン開催することと致しました。


 具体的には、「高齢者行動ライブラリ」は、2000映像を超える動画データベースとなり、更に使い勝手を向上しています。図1に「高齢者行動ライブラリ」の追加機能の一部を示します。


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 図1 高齢者行動ライブラリの追加機能例



 「高齢者の生活機能変化に配慮した安全に関するユニバーサルデザインの実現に向けて」では、「高齢者行動ライブラリ」から見える現場の実態(図2)や公共機関の高齢者事故データ等の分析から、高齢者の安全のために製品全般に求められる事項をまとめるとともに、特に注意が必要な製品を5つ選定し、その製品に関しての検討すべき点や、今後の規格・基準にもつながりうる草案的な情報も掲載しています。

 また、ハンドブックに関しては、製品を選択するときの基本的なチェックポイントや身体特性から導き出した身体データ情報などを記載(図3)しています。


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 図2 ガイドラインにおける施設内実態例や転倒防止のための海外事例



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 図3 高齢者製品事故防止に関するハンドブックにおける製品選択事例、身体寸法例



 「高齢者行動ライブラリ」は、すでに様々な企業・大学等でご利用頂いており、把持しやすい手すりの開発、ベッドや椅子周辺の危険分析、介護施設スタッフへの教育、など様々な活用が始まっております。


 この機会に、人生100年時代を支える製品・サービスに関わる事業者、介護・福祉関連事業者、研究者などに参加頂き、製品・サービスの開発、選択、利用に活用して頂きたいと考えております。



公開セミナー 詳細 <事前登録は締め切りました>

  • 開催日 令和3(2021)年 3月 5日(金)
  • 開催時間 13:30~15:30
  • オンラインツール Microsoft社 Skype Business

 参加を希望される方は、事前登録をお願い致します。

 大変お手数ではございますが、御社名、所属、参加者のメールアドレスを下記の本事業担当者連絡先メールアドレスへご送信頂けますようご協力をお願い申し上げます。なお、メール受付は、2月26日(金)の15時までとさせて頂きます。予めご了承ください。


本事業 担当者連絡先:
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
meti-aist-safety-pj-ml@aist.go.jp

★事前登録の受付は2/26(金)15時をもって終了いたしました。多数のご登録をいただき、ありがとうございました。