日本人の身長の時代変化

 下の図は、1870年ごろから後に生まれた日本人について、生まれ年と20歳時平均身長(1976年以後生まれについては20〜24歳の平均身長)の関係をグラフにしたものです。日本人青年男女の平均身長は伸び続け、特に第二次世界大戦後、1940年代、1950年代生まれの世代で、急速に高くなりました。しかし、1960年代半ば以後に生まれた世代で時代変化の速度は低下し、1980年以後に生まれた世代では止まっています。


 世代による体格の差がしばしば取り上げられます。それは、年をとれば身長が縮むためでもありますが、それ以上に時代変化による部分が大きいのです。長寿化が進んだ現在、1920年代に生まれた小柄な女性から、1980年以後生まれた大柄な男性までが、同時代に生きています。20世紀に急速に進んだ時代変化のため、これまでになく体格の個人差が大きい時代なのです。


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図 日本人青年男女の平均身長の時代変化(政府の統計による)
○:20歳学生、●:20歳壮丁、◇:20歳一般、△:20〜24歳一般


参考文献

  • Kouchi, M., 1996: Secular change and socioeconomic difference in height in Japan. Anthropological Science, 101(4):325-340.
  • Kouchi, M., 2018: Recent debrachycephalizaion in Japan. Anthropological Science, 126:43-63.

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