
研究チーム
人工知能研究センターでは、各研究チームがテーマごとに専門的な研究・開発を行うとともに、それぞれのチームが連携することで複雑な社会の構造に対応できる人工知能の開発を進めて参ります。
言語情報研究チーム
データに内包される意味を理解し、知識を抽出する技術を研究しています。文章形式のデータのみならず様々な形式のデータを分析し、その中に記述されている出来事の因果関係や、登場する言葉の概念構造、情報の鮮度と客観性、情報間の矛盾などを、人工知能が認識し、データベース化する技術です。これにより、単なる言葉による検索から、意味による検索が可能になり、人工知能は知識をより深く取り扱えるようになります。

高村 大也
研究チーム長
機械学習研究チーム
機械学習技術によって、データから変数間の関係や変数の重要性を学習したり、隠れた重要な変数(要因)を発見したりすることは、現在の人工知能に不可欠です。それによって、データの分類、識別、予測、補間等が可能になります。機械学習研究チームでは、ベイジアンモデリング、カーネル法、deep learning などの先端的な機械学習技術の理論基盤、アルゴリズムの研究開発から、化学反応データ、物理シミュレーションデータ、交通データ、水産データ、ロボットの感覚・運動データ等の実データへの応用まで幅広く研究を行います。さらに、他のチームとの連携を通じて、人間との親和性の高い人工知能の実現に貢献します。

山崎 啓介
研究チーム長
人間AI協働機構研究チーム
機械学習機構研究チームでは、社会課題を解決することを目的とした人工知能技術の活用方法について研究を行っています。機械学習に基づく画像解析や音響データ解析による異常検知などをコア技術とし、社会インフラ診断および医療診断・ヘルスケア支援に資する技術の実用化に向けて主に活動しています。取り組む課題それぞれの事業者と密接に連携し、PDCAサイクルを短期間に回していくことで、早期の橋渡しを目指すとともに、人工知能技術を実社会で活用するために必要なノウハウや知見を蓄積し、共通部分を抽出することで横展開のフレームワーク化に貢献します。

野里 博和
研究チーム長
社会知能研究チーム
情報システムにより高度化した現代の都市のサービスは、単にエネルギー的な効率だけでなく、人と人・人とサービスの相互作用を取り入れたシステム設計が望まれます。本チームでは、その設計を工学的に支援するため、人々の振る舞いを継続的にセンシングする技術と、人を系に組み込んだシミュレーション手法を組み合わせ、サービス導入・改変の影響を都市規模で予見することを目指します。

大西 正輝
研究チーム長
オーミクス情報研究チーム
私たちは、バイオ産業分野に特化した人工知能技術の開発に取り組んでいる。私たちが担うのは、すべての生物に共通するDNA、RNA、およびタンパク質を中心とした基盤技術の開発である。開発した基盤技術を自ら活用することで、生物学において有意義な知識の発見を目指す応用研究にも積極的に取り組んでいる。また、バイオ実験を自動化する技術の応用も積極的に推進している。

光山 統泰
研究チーム長
デジタルヒューマン研究チーム
デジタルヒューマン研究チームでは感覚、身体、行動、生活、さらには社会に至るまで、様々なレベルでの人間機能を、実験室で収集した質の高いデータに基づきモデル化する技術、このモデルを用いて、生活者の人間機能データを大規模に計測し、モデルを更新する技術、そして、計測したデータとこのモデルを用いて、生活者に介入するための技術を研究しています。

多田 充徳
研究チーム長
知的メディア処理研究チーム
知的メディア処理研究チームでは、音響・音声、映像、テキスト、その他時系列センサー情報等、様々な「メディア」を統合的に認識・理解可能な技術の研究開発を行っています。
実環境の様々なデータに対してこうした技術の研究開発・実証を行うことで、人間情報の解析だけでなく、産業機器・インフラも含めた幅広い分野の「支援」を目指します。

深山 覚
チーム長
コンピュータビジョン研究チーム
コンピュータビジョン研究チームでは、3次元情報の計測や3次元モデリングといった実環境の情報取得や、動画像や形状データの機械学習に基づいて、人や物体の認識や異常検出といった目的に利用する研究を行っています。今後これらの基礎的な技術を高度化し、社会生活に貢献する技術として広めていくことを目指しています。

吉安 祐介
研究チーム長
エージェントAI研究チーム
少子化と超高齢社会の進行により高齢者の介護や子供の生活安全の支援など、人の日常生活に寄り添って助けてくれるAIの実現に期待が寄せられています。しかしながら、日常空間内での人の生活は人、モノ、人と人の関わり合いなど様々なものが組み合わさって成り立っています。センサーの観測データなどから生活を構成する人やモノ、動作などの情報は部分的に得られるようになりました。しかし、今なにが起きているか、どのような意図で何をしているのか、といった人間であれば当たり前に認識できる日常生活行動の意味を解釈するために必要となる知識は依然として計算機システムが取り扱うのが困難です。本チームでは観測データと、観測データに含まれない知識を融合して、日常生活の様々なエピソードを認識し支援できるAI技術の開発に取り組んでいます。

濱崎雅弘
研究チーム長
生活行動モデリング研究チーム
社会生活の中で直面する様々な課題は,関わる人々の行動情報の取得・分析により解決することが期待できます.しかし,経時的な行動変化を捉えたり多様なケースを反映したモデルを構築するには,情報を取得するプロセスだけでなく,モデル化の結果得られた知見を再び当事者に還元するところまで総合的にデザインし,持続可能なシステムとする必要があります.生活行動モデリング研究チームでは,児童虐待防止や傷害予防といった社会課題を中心に,状態予測に基づく意志決定支援技術や人体シミュレーション技術を活用した計測分析支援技術,また,モデル化の結果得られた知見の教育伝達手法の開発に取り組んでいます.

宮田なつき
研究チーム長
実体知能研究チーム
機械(ロボット)によるオートメーションの効率性と、人との親和性を高めるため、次の研究を行なっています。
1.機械がより器用に作業をするための基盤技術
2.機械が人と環境を共有するための基盤技術
3.前述する基盤技術のシステム化や、模擬環境での実証
堂前 幸康
研究チーム長
研究チーム長
過去に存在した研究チーム
サービスインテリジェンス研究チーム (2020年3月まで)
人工知能クラウド研究チーム (2021年3月まで)
地理情報科学研究チーム (2021年4月に他部門へ移行)
確率モデリング研究チーム (2021年3月まで)
インテリジェントバイオインフォマティクス研究チーム (2025年3月まで)
ゲノム情報をはじめとする多様で膨大な生命情報に関するデータから生体分子に関する知識発見を行うためのバイオインフォマティクス技術の開発を行う。また開発技術を利用した疾病因子の推定や生体分子の機能解析などを行い、創薬などへの応用を目指す。
シグナルプロセッシング研究チーム (2025年3月まで)
シグナルプロセッシング研究チームでは、音声・音響・触覚など様々なセンサの信号処理に基づいて、言語・行動・感情認識と周囲環境理解、それらを統合した音声対話技術、作業行動認識、そして産業機器などの故障予兆・異常検知など、人や環境の状況理解に資するセンサと信号処理技術の研究開発を行っています。
データプラットフォーム研究チーム (2025年4月に他部門へ移行)
「超スマート社会インフラ」において、全ての人・モノに安全に「暮らす」、「動く」、「学ぶ」、「楽しむ」 スマート空間を提供するには、IoT 、ビッグデータ、人工知能などの技術を融合したより高度なデータプラットフォームが必要となります。データプラットフォーム研究チームは、実世界のモノ・ヒト・コトから多種多様なビッグデータの収集・蓄積・管理・利用を行うスケーラブルな人工知能データプラットフォームの実現を目指しています。特に、高精度かつ高頻度なIoT生成データを効率的に収集・格納し、利活用促進をはかるためのデータガバナンス基盤技術の研究開発を実施しています。