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4.1 研究開発(R&D)ストックの推計 

 産業部門における研究開発(R&D)活動と生産性上昇の関係、あるいはR&D支出の生産性上昇への貢献を定量的に捉えるためには、まずR&Dストックないし技術知識ストックを推計する必要がある。 

 産業部門において支出される研究開発費というのは、年々のフローとして捉えられる。それにより研究開発活動が行われ、新しい技術知識が創造・獲得され、それらが過去の研究開発より得られた技術知識・経験に加えられ、企業の生産活動において大きな役割を果たす。このように技術進歩には累積的な性格があり、このことは資本一般について、生産を行うのは年々の資本投資ではなく、その時点で存在している資本ストックであることに類比的である。 

  
(1)推計方法 
 R&Dストック、技術知識ストックを数量でとらえることは困難な課題であるが、本調査では、Griliches以来の方法にならい、研究開発支出のフローのデータをもとに下記のストック量を推計した。 

   St = (1−δ)St-1 +Ft 
     ただし、Ft= Σ μiEt-i 
             i 
  
  
  St : t期の技術知識ストック 
  Ft : t期の技術知識フロー 
  Et-i : t-i期の研究開発支出額(実質額) 
  δ : 技術知識ストックの陳腐化率 
  μ : ラグ分布 
  
即ち、一定の懐妊期間に累積された研究開発支出額の大きさに依存して、当期の新しい科学技術知識のフロー量が決まり、他方、既存の科学技術知識のストックの一部は陳腐化し、最終的に当期のストック量が決定されると考える。 

  
(2)使用データ 
 R&D支出額のデータは総務庁の「科学技術研究調査報告」を用い、同報告中の、民間部門の製品分野別研究費の統計を用いて、R&Dデータの得られる17産業(アクティビティ・ベース)別のR&Dストックを推計した。 

 上の式によるR&Dストックの推計にあたっては、技術の陳腐化率及びタイムラグ(懐妊期間)を定めなければならない。本調査では、タイム・ラグと陳腐化率については各産業別に分析対象全期間を通じて一定とし、推計を行った。即ち、技術の平均寿命を表すものとして調査されている特許収入期間の逆数をもって陳腐化率とし、自主技術の研究期間をもってラグとした。 


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