第1編 国が支援する情報技術研究開発のあり方
1.3.1 質問項目について
1.2節で述べたような背景と問題提起に基づき、「IT研究開発拠点の国内立地とその発展のための条件」という調査課題で、わが国のIT産業界において研究開発に従事している有識者に対するヒヤリング調査を実施した。
この課題は、わが国の産業の空洞化をいかに防ぐか、すなわち、研究開発拠点や製造拠点の国内立地を可能とする条件は何か、現在の日本には何が欠けているのか、改革すべき仕組み、法制度は何かなどを調査することを意図しており、ヒヤリングは、調査課題に係わる、以下の7つの項目についておこなった。本節では、それぞれのヒヤリング項目に対する回答者の意見の要約を記載している。
【質問項目】
1.3.2 技術貿易時代への対応
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■先回りして技術シーズを開発するための方法論と、そのための制度、組織を作れ。 ■ボーダレスな経済の下で戦っていくためにはIPR戦略をより重視せざるをえない。 ■企業のIPR戦略の転換と同時に、国としてもIPR重視の政策を打ち出すべし。 ■企業はソリューションビジネスを指向しているが、融合領域への対応に不安がある。 ■IPR、ソフト、ハード、ソリューションの最適なミックスを見つけるのが重要である。 ■当面は現在の日本の強みを活かした方向性を探り、長期的には国際化に合わせて諸制度を改革すべし。 |
1.3.3 研究開発のフロントランナーとなるべきか
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■国はフロントランナーとなるための研究開発のアウトソーシング市場を作れ。 ■ITの研究開発のアウトソーシング先は企業で良い。 ■フロントランナーを目指さざるをえないが、そのための改革は困難なものとなる。 ■重点テーマの羅列のみでなく、具体的目標を設定し、実行組織を整えよ。 ■フロントランナーとなるべき分野を絞って日米の共存共栄を図るべし。 |
1.3.4 国全体のIT投資のあるべき姿
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■シナリオ作りの機関を創設し、出された提案を迅速に実行に移す行政を。 ■国はインフラ投資の方向を研究開発に向けよ。 ■ITが重要という認識を予算に反映させ、省庁横断で実行面の議論を行うべし。 ■国の研究開発投資は応用分野に拡大し、実証フェーズまで及ぶべき。 ■何を研究するかを考えることに、もっとも力を入れるべし。 ■プラットフォームのアーキテクチャの研究開発に国の資金を投入すべし。 ■全産業の共通基盤としてのITには、従来の公共投資に劣らぬレベルの投資をすべし。 ■ソフトウェア分野への研究開発投資をもっと増やすべし。 |
1.3.5 IT研究開発拠点の国外流出の是非
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■IT産業を国内立地するには空洞化の原因の大元を断つしかない。 ■国により研究開発の人材をプールする仕組みを作り、海外からの研究者を含めた人材を確保することを考えるべし。 ■国の主導により、テーマ毎に適切な形態の研究開発拠点を設置することを提案する。 ■ハードやソフトの製造の海外流出は、必ずしも国内の空洞化には繋がらない。 ■頭の部分が日本にあれば研究開発を行うのは海外であっても良い。 ■日本からの技術流出を阻止する方策を考えるべし。 |
1.3.6 わが国の研究開発支援構造に欠けるもの
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■「民が主体」、「実業モデル尊重」の発想が欠如し、民にとって邪魔な省庁間の壁。 ■省庁間を跨って予算等を議論できる機構を早急に整えるべし。 ■ベンチャー向けに、米国並の支援の仕組みを作るべし。 ■省庁間の縦割り構造を超えた効果的な役割分担を望む。 ■ベンチャーが生み出す新しいマーケットを育てる、国の支援制度が必要。 ■基礎研究を事業化、産業競争力強化にまで結びつける一貫した国の仕組みが必要。 ■研究開発支援においては、継続的視点を持つべし。 ■人材育成は金を出すだけでなく、その人の進路に応じたサポートの仕組みを。 ■企業が苦しい今こそ、国は基礎研究分野をおろそかにすべきではない。 ■全体のグランドデザインに基づいた国の仕組み・施策が必要。 ■制約を最大限に取り払った国家プロジェクトを試行せよ。 ■ソフトウェアの研究開発の特性に適合した予算化と実施制度を。 ■日本の文化に合ったやり方を追求すべし。 ■国のプロジェクトの成果をより実質的に評価し、良いものには継続的支援を。 |
1.3.7 研究のゆりかごとなる大学の充実の必要性
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■研究機能と教育機能との分離、産官学間の流動化が必須である。 ■大学の制度改革には、キャリアデベロップメントモデルの作り直しが必要。 ■大学は自らが意識を持って変革すべし。 ■研究と同時に教育のレベルアップも必要。 ■情報系教育やベンチャー起業サポート等の教育の充実が急務である。 ■技術者の採用および評価基準に対する企業側の意識改革が必要。 ■ソリューションビジネスが育ちやすい教育環境の整備を。 ■大学に優秀な人材が残れるようもっと資金投入を。 ■カリキュラムの改革、大学間の講座共有などの思い切った施策を行うべし。 ■産業界と連携するための組織や制度を整備すべし。 ■企業は大学での研究成果を雇用時の待遇に反映させるべし。 ■大学間・産学の連携を志向した研究開発拠点作りを。 ■日本は大学の研究者から企業への積極的なアプローチが少ない。 |
1.3.8 国研の不在をどう補完するか
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■民間の研究管理力を取り込んだ、流動性の高いプロジェクト組織を作るべし。 ■日本の国研の状態は非常に深刻である。 ■企業と国との方向性が合えば、国家支援の中長期の研究開発は是非やりたい。 ■基礎研究から実証実験、事業化までを通し、産学が連携できる仕組みが必要である。 |