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3. ヒヤリング調査の概要

3.5 IT研究開発拠点の国外流出の是非

■IT産業を国内立地するには空洞化の原因の大元を断つしかない。
IT産業の国内立地が困難になった理由として、給与水準と物価水準がグローバルスタンダードになっていないということと、日本ではキャッチアップモデル(セカンドランナーモデル)がいまだに続いており、クリエイティブな仕事が出来ず、自前で研究ターゲットを創出していないということが挙げられる。
この対策としては、①給与水準と物価水準とをシンクロナイズして下げる、②日本流の新たなキャリアデベロップモデルを考える、③研究ターゲットを開発するための専門研究所を作る、④研究開発に更なる競争原理を導入する、などが考えられる。

■国により研究開発の人材をプールする仕組みを作り、海外からの研究者を含めた人材を確保することを考えるべし。
 ITの研究開発における最も大きな問題は人材の不足であり、研究開発拠点を海外に求める大きな理由が人材の確保である。日本には、米国のように国のプロジェクトや資金によって大学や国研に研究開発の人材をプールし、維持する仕組みが存在しない。これが、特に基礎研究におけるIT研究開発者の層の薄さや、海外の研究者から見て、日本が魅力に乏しいと言われる大きな理由となっている。

■国の主導により、テーマ毎に適切な形態の研究開発拠点を設置することを提案する。
 海外に研究所を置いても実際に成果を出すのは難しいし、自分自身の技術の低下を招く恐れがあるほか、技術の輸出規制という阻害要因もある。研究開発部分は日本国内で実施していくべきである。研究開発拠点の国内立地に関しては、国はテーマを掲げるだけでなく、国の方針を具体的に示して、テーマ毎に適切な形態を持った研究開発拠点を設置することを提案する。

■ハードやソフトの製造の海外流出は、必ずしも国内の空洞化には繋がらない。
 製造は、企業であれば一番コストの低い場所を探すだけであり、海外への流出は自然の流れである。ただし、ハイテク領域や高付加価値の分野では、日本での開発/製造が今後も続くし、このような領域は相当残っている。ソフトウェアの海外発注も単純作業が多いので、それによって自社の技術力が低下するとは思っていない。

■頭の部分が日本にあれば研究開発を行うのは海外であっても良い。
 IT研究開発拠点の国内立地というのは、ある意味でどうでも良いことで、何を作るかを決める頭の部分が日本にあれば、それを実現するのは海外であっても良い。ただし、日本国内に立地した方が良い面も多分にあるので、国内で人を集めることを考えないといけないが、これはいろいろな問題があってかなり大変である。

■日本からの技術流出を阻止する方策を考えるべし。
米国は、国策として国内産業の競争力強化を考え、実行してきたが、日本にはそれに対抗しようとする意思が感じられない。一方で、日本は強みとしていた半導体技術や製造技術を無原則に世界にばらまいてしまった。米国は国の宝になりうるという見通しの中で、黒を白と言ってでもコントロールするというようなところがあり、日本も参考にすべきである。

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