3. ヒヤリング調査の概要
3. ヒヤリング調査の概要
3.1 質問項目について
2章で述べたような背景と問題提起に基づき、「IT研究開発拠点の国内立地とその発展のための条件」という調査課題で、わが国のIT産業界において研究開発に従事している有識者に対するヒヤリング調査を実施した。
この課題は、わが国の産業の空洞化をいかに防ぐか、すなわち、研究開発拠点や製造拠点の国内立地を可能とする条件は何か、現在の日本には何が欠けているのか、改革すべき仕組み、法制度は何かなどを調査することを意図しており、ヒヤリングは、調査課題に係わる、以下の7つの項目についておこなった。本節では、それぞれのヒヤリング項目に対する回答者の意見の要約を記載している。
【質問項目】
- 技術貿易時代への対応(3.2節)
−わが国は米国のようなライセンス貿易を目指すのか。
−IT、特にソフトウェア産業や関連する先端産業の進むべき方向は何か?
- 研究開発のフロントランナーとなるべきか(3.3節)
−ITの中長期研究テーマをわが国がフロントランナーになり、自力で行うことの是非。
−フロントランナーとなるために必要な条件は何か。
- 国全体のIT投資のあるべき姿(3.4節)
−ITを一種の公共投資と考え、米国のように将来の技術シーズは国の役割として、税金でまかなうべきか。
−国はどういう研究開発投資を行うべきか。
- IT研究開発拠点の国外流出の是非(3.5節)
−製造拠点の海外流出と同様の認識で、研究開発拠点が海外に流出することを是認出来るか。
−どのような条件がそろったら、国内に研究開発拠点を置くか。
- わが国の研究開発支援構造に欠けるもの(3.6節)
−米国のようなシームレスな研究開発支援構造、またはフロントランナー構造が必要だとしたとき、わが国では何があり、何が欠けているのか。
- 研究のゆりかごとなる大学の充実の必要性(3.7節)
−わが国の研究開発力、産業競争力を高めるためには、大学をどう充実させるべきか。
−現在、大学改革が進行中だが、どのような部分の改革を優先すべきか。
- 国研の不在をどう補完するか(3.8節)
−わが国には規模の大きなITの研究を実施する国研が無いに等しい(国研のIT研究者の数は、米国の約30分の1)。これを大学、民間でどう補完できるか。