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2. 調査課題とその背景

2.4 フロントランナー構造と比較してみるわが国研究開発構造の問題点

 フロントランナー構造を、いくつかの段階にわけて、その特徴を紹介し、併せてわが国の情況も、一部付け加えた。
 ここでは、この米国のフロントランナー構造と比較しつつ、わが国の研究開発構造を検証してみる。その背景には、日本が、世界をリードするような研究開発拠点を国内に作り、そこから生み出される産業の技術シーズをもとに新産業、新市場を育成するためには、このフロントランナー構造を、日本国内に構築できるか否かがその鍵を握るのではないかと考えるわけである。
 全般的にわが国の研究開発の構造を米国のフロントランナー構造と比較してみると、次のような相違点が明らかとなる。

これまで、わが国には、各省庁の上に立ち、プロジェクトのテーマや予算などに関する調整権限を持つ組織はなかった。現在、予算に関して影響力を行使できる総合科学技術会議ができ、重点分野などの選定を行っているが、個々のプロジェクトの研究内容まで追跡して省庁間の壁を越えて、類似テーマを持つプロジェクトの統合を行うまでの調整能力を持つまでには至っていない。よって、依然として省庁縦割りの弊害は解決されていない。総合科学技術会議の権限を拡大し、事務局を強化するなどして、より強力な調整を行えるようにすることが望まれる。
研究開発の実施段階における大きな問題は、その中流、下流段階が欠落していることにある。その原因は、わが国の大学、国研に係わる問題であり、次節以下に、少し詳しく述べる。この問題は、経済産業省が打ち出している、大学からベンチャー企業を1,000社起業させようとの計画の達成の困難さを示唆する。
次の問題は、新技術の商品化、および新技術を抱えたベンチャー企業育成の段階であり、その支援の構造である。この問題は、IT戦略会議が目標としている2005年までに海外よりIT研究者3万人導入計画の実現が困難な理由も示唆する。

 上記の3つの問題が、わが国がフロントランナー構造を構築する上で、特に解決が難しいと思われるものである。しかし、①については、構造改革にかかわる問題であり、関係者の現状認識が深まれば、徐々に組織が作り上げられると思われる。しかし、②と③に関しては、いくつもの問題が絡みあっており、国を挙げての解決が不可欠の問題と考えられる。

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