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2.4 NSF関連のHuCS研究開発

(1)NSFのHuCS(人間中心システム)関連テーマ

HPCC Blue Book 2000で取り上げられているNSF関連の研究テーマは以下の通りである。

  1. 知識と分散知性(KDI) --- NSF全体のクロスカッティング・プログラム。
  2. 知識ネットワーク(KN) --- 上記のKDIの、人間中心システム関連テーマ部分。
  3. STIMULATE --- NSFが主導するマルチエージェンシー・プログラム。
  4. ディジタルライブラリ・イニシアチブ・フェーズ2(DLI2) --- NSFが主導するマルチエージェンシー・プログラム。
  5. バーチャル・ロサンゼルス --- NSFの助成を受けたUCLAのプロジェクト。
  6. ロボットによる外科手術 --- NSFのEngineering Research Programの助成。
  7. ユニバーサル・アクセス --- NSFのIIS部門のプログラム。
  8. Webアクセッシビリティ・イニシアチブ --- NSF他の助成を受けたW3Cのイニシアチブ。
  9. スペイン語インタフェース --- NSFの助成を受けたプロジェクト。

 これらは、テーマとして同列に述べられているが、いろいろなレベルのものが混在している。たとえば、KDI(1)は、学際的な課題解決を狙ったNSF全体の助成プログラム(Crosscutting Program)である。 その中の人間中心システム(HuCS)関連の領域に当たる部分がKN(2)である。また、STIMULATE(3)やDLI2(4)は、マルチエージェンシーの助成プログラムであり、NSFでは、人間中心システム(HuCS)の分野を扱う部門(IIS:The Division of Information and Intelligent Systems)が担当している。これらは、助成プログラムなので、この中で、公募により多くのプロジェクトが助成を受けている。一方、バーチャル・ロサンゼルス(5)やスペイン語インタフェースは、NSFが助成するプロジェクトである、など。
 また、Blue Book 2000の公開後に始まった助成プログラムとして、ITに直接対応するNSF全体のプログラム(Crosscutting Program)であるITR(Information Technology Research)があり、2000年度からプロジェクト公募が始まっている。  NSFの研究開発支援プログラムには、提案方法によって、以下の2種類がある。

  1. Solicited Proposals
  2. Unsolicited Proposals

 Solicited Proposalsは、NSFが特定のミッションを担うために、目的、内容を明確に規定して、プロジェクト提案を公募するものであり、上記のKDI、STIMULATE、DLI2、Universal Accessなどがそれにあたる。一方、Unsolicited Proposalsは、特に研究テーマや公募の締切の指定は無く、広範な基礎研究を支援することに主眼を置いている。

表2.4-1 コンピュータ、情報科学技術・工学の全プログラム
(Directorate of Computer and Information Science and Engineering)
No
担当
部門
Title
日本語タイトル
1 ACIR Advanced Computational Research(ACR) 先進的コンピューテーショナル研究
2 ANIR Advanced Networking Infrastructure (ANI) 先進的ネットワーキング基盤
3 EIA★ CISE Advanced Distributed Resources for Experiments (CADRE) 実験の為のCISEの先進的分散資源
4 EIA CISE Educational Innovation CISEの教育革新
5 EIA CISE Minority Institutions Infrastructure CISEのマイノリティの公共施設基盤
6 EIA CISE Postdoctoral Research Associates CISEポスドク研究連合
7 EIA CISE Research Infrastructure CISE研究基盤
8 EIA Collaborative Research on Learning Technologies 学習技術に関する共同研究
9 Combined Research-Curriculum Development 共同研究カリキュラムの開発
10 C-CR Communications(COM) 通信(コミュニケーション)
11 IIS Computation and Social Systems(CSS) コンピューテーションと社会システム
12 C-CR Computer Systems Architecture(CSA) コンピュータシステム・アーキテクチャ
13 C-CR Design Automation(DA) デザイン・オートメーション
14 EIA★ Digital Government ディジタル政府
15 EIA★ Experimental Partnerships 実験的なパートナーシップ
16 IIS Human Computer Interaction(HCI) 人間−コンピュータ間対話
17 IIS Information and Data Management(IDM) 情報とデータの管理
18 EIA Instrumentation Grants for Research in CISE CISEにおける研究のためのグラント編成
19 EIA Integrative Graduate Education and Research Training(IGERT) 大学卒業生の統合的な教育研究トレーニング
20 International Networking インターナショナル・ネットワーキング
21 Internet Technologies インターネット技術
22 IIS Knowledge and Cognitive Systems 知識と認知システム
23 Large Scientific and Software Data Set Visualization 巨大な科学及びソフトウェアのデータセット可視化
24 EIA Major Research Instrumentation(MRI) 主要研究の編成
25 ANIR Networking Research ネットワーキング研究
26 Next Generation Software 次世代ソフトウェア
27 EIA NSF-CONACyT Collaborative Research Opportunities NFSとメキシコのCONACyTによる共同研究機会
28 EIA★ NSF - CNPq Collaborative Research Opportunities NFSとブラジルのCNPqによる共同研究機会
29 C-CR Numeric, Symbolic and Geometric Computation(NSGC) 数値計算、記号計算及び幾何学計算
30 C-CR Operating Systems and Compilers(OSC) オペレーティングシステムとコンパイラ
31 ACIR Partnerships for Advanced Computational Infrastructure(PACI) 先端的計算基盤のためのパートナーシップ
32 EIA Professional Opportunities for Women in Research and Education(POWRE) 研究・教育における女性のための専門家となる機会
33 EIA Research Experiences for Undergraduates(REU) 大学在学生の研究体験
34 IIS Robotics and Human Augmentation(RHA) ロボティクスと人間能力付加
35 C-CR Signal Processing Systems(SPS) 信号処理システム
36 C-CR Software Engineering and Languages(SEL) ソフトウェア工学と言語
37 ANRI Special Projects in Networking ネットワーキングにおける特別プロジェクト
38 EIA Special Projects (EIA) 特別プロジェクト(EIA)
39 IIS Special Projects (IIS) 特別プロジェクト(IIS)
40 Terascale Computing System テラスケール・コンピューティング
41 C-CR Theory of Computing(ToC) コンピューティング理論
注)★印はCISE組織変更[1]後に追加されたプログラム。

 NSFでは、情報技術全般の重要な研究を網羅的するよう、組織として情報技術の重要分野に対応した部門を置き、網羅的なプログラムを準備している(表2.4-1)。これについては、まず、NSFの組織を説明した上で説明する。
 NSFにおける研究開発支援やプログラムマネージャ(or プログラムディレクター)の役割の概要等については、弊所のH10年度報告書「わが国が行う情報技術研究開発のあり方に関する調査研究(その3)」付属資料4の「第1章 NSFにおける研究開発支援」を参照頂きたい。また、本年度報告書「わが国が行う情報技術研究開発のあり方に関する調査研究(その4)」の第Ⅰ編第3章「米国の国家プロジェクトにおける大学・国研の独立性と権限」では、ディジタルライブラリ・イニシアチブにおけるプログラムマネージャの役割の具体事例を示している。ここでは、情報技術研究開発、特に人間中心システムに関連する部分を説明する。

 

2.4.1 NSFの組織と研究助成プログラム

 下図2.4-1にNSFの組織の概要を示す。

図2.4-1 NSFの組織

 情報技術の研究開発助成は、Directorate of Computer and Information Science and Engineering(CISE)が担当している。
 CISEは以下の5つの部門(division)から構成され、それらの内の3つ(C-CR、IIS、EIA)は、主として研究にフォーカスしており、他の2つ(ACIR、ANIR)は、インフラと研究機能を結合させている。
 5つの部門の役割の概要を以下に示す。人間中心システム(HuCS)はIIS部門の担当である。

1)コンピュータ通信研究部門
(C-CR、The Division of Computer-Communications Research)

 C-CRは、以下の研究を支援する。設計自動化(design automation)、コンピュータシステム・アーキテクチャ(computer systems architecture)、ソフトウェア工学と言語(software engineering and languages)、OSとコンパイラ(operating systems and compilers)、計算理論(computing theory)、数値・記号・幾何計算(numeric, symbolic, and geometric computation)、通信(communications)、及び信号処理(signal processing)。この部門はまた、以下の多分野にまたがる研究にも資金提供する;並列・分散コンピューティングを含む計算機科学・工学(computer science and engineering, including parallel and distributed computing)、システム・セキュリティと信頼性(system security and reliability)、アルゴリズム応用(applied algorithms)、及び問題解決環境(problem-solving environments)。

2)情報と知的システム部門
(IIS、The Division of Information and Intelligent Systems)

 データの生成・蓄積・組織化を改善する研究をサポートするヒューマン−コンピュータ・インタラクションを専門に研究する。ユニバーサル・アクセス(Universal Access)、ヒューマン言語技術、知識のモデル化、科学的「共同実験室」、ロボティクス、コンピュータ・ビジョン、データ・マイニング、データベース・アクセス技術、及び組み込み型インテリジェント・システムなどに影響する(affecting)要素を含んだ研究を行う。IISはまた、学際的な活動や、たとえばディジタル・ライブラリ・イニシアチブ、STIMULATE(Speech, Text, Image, and Multimedia Advanced Technology Effort)のような、エージェンシーにまたがる活動もサポートする。

3)実験的・統合的活動部門
(EIA、The Division of Experimental and Integrative Activities)

  EIAは、CISE全ディビィジョン(division)及びNSFの全理事会(directorate)にまたがる研究を進める(promote)。その役割は、実験的なコンピュータ通信研究を進める(advance)ことである。さまざまな種々異なった才能を蓄積し、国際プロジェクトを運営し、そして、重要なCISE横断の問題を分析する。

4)先端的な計算インフラストラクチャ及び研究部門
(ACIR、The Division of Advanced Computational Infrastructure and Research)

 ACIRは、情報技術研究を指揮し、PACI(Partnerships for Advanced Computational Infrastructure)を通して、米国の科学コミュニティに対してハイエンド・コンピューティングを提供する。

5)先端的なネットワーク・インフラストラクチャ及び研究部門 (ANIR、The Division of Advanced Networking Infrastructure and Research)

 ANIRは、ネットワーク研究(Networking Research)及び、ネットワーク研究における特別プロジェクト(Special Projects in Networking Research)の2つのプログラムを監督する。これらは、GII(global information infrastructure)に関する基礎研究をサポートする。また、先端ネットワーク・インフラストラクチャ・プログラムは、実験的な先端ネットワークを開発し、研究・教育の幅広いサポートに、それらの使用を可能にする。

 これらの部門が、それぞれ表2.4-1に示すプログラムを担当している。多くのプログラムは、CISEが現在の5部門の構成に編成された時点で既に担当部門(division)に割り振られている[1]。担当部門の欄に★印がついているのは、その後に追加された比較的新しいプログラムである。
 また、多くの専門分野にまたがる学際的テーマに対しては、NSF全体レベルのプログラム(Crosscutting Program、クロスカッティング・プログラム)が実施される。人間中心システムにも関係の深いクロスカッティング・プログラムとしては、以下の2つがある。

  1. ITR(Information Technology Research)
  2. KDI(Knowledge and Distributed Intelligence)

人間中心システム(HuCS)を担当するIIS部門に属するプログラムは、2000年3月現在では以下の6個となっている。

  1. Computation and Social Systems(CSS、コンピューテーションと社会システム)
  2. Human Computer Interaction(HCI、ヒューマン−コンピュータ・インタラクション)
  3. Information and Data Management(IDM、情報とデータの管理)
  4. Knowledge and Cognitive Systems(KCS、知識と認知システム)
  5. Robotics and Human Augmentation(RHA、ロボティクスと人間能力増大)
  6. Special Projects (IIS)(IIS特別プロジェクト(具体的にはDigital Library Initiative関係))

 IIS部門では、これにクロスカッティングのITRプログラムを含めた7つのプログラムのそれぞれに対して、一人のプログラム・マネージャ(あるいはプログラム・ディレクタ)が担当しており、現在、7人のプログラム・マネージャ(プログラム・ディレクタ)がいる。
 Blue Book 2000でテーマ名として取り上げられているKDI、STIMULATE、ユニバーサル・アクセスといった助成プログラムは、特定のミッションを持って、より内容を明確に規定したものであり、表には名前が現れないが、例えばSTIMULATEはHuman Computer Interactionプログラムとして進められ、ユニバーサル・アクセスは、Human-Computer Interaction(HCI)プログラムと Knowledge and Cognitive Systems(KCS)プログラムの合同により行われている。

 以下の章では、具体的に個別のNSF研究テーマの内容について説明する。

参考

[1] NSFのDirectorate of CASEの組織構成再編時の"Dear Collection"文書
http://www.interact.nsf.gov/cise/html.nsf/Pages/10746C57A55BC0328525667F005859A1
(注意:作成日は不明だが、更新日がつい最近になっている。理由は不明。)
[2] NSFのCISE部門のプログラム
http://www.interact.nsf.gov/cise/descriptions.nsf/description?openView&Count=500
[3] NSFのクロスカッティング・プログラム
http://www.nsf.gov/home/crssprgm/
[4] NSFのCISEの組織
http://128.150.4.105/orange.cfm?key=49

 

2.4.2 KDI(Knowledge & Distributed Intelligence)とKN(Knowledge Networking)

(1)知識と分散知性(KDI、Knowledge & Distributed Intelligence)

 コンピュータ・パワーとインターネット接続性の進歩は、発見、学習、およびコミュニケーションの過程を変容させ、人々と組織の関係を再構成しつつある。これらの進歩は、膨大な量の知識と情報への迅速で効率的なアクセスを提供することによって、より複雑なシステムを広く研究して学習と知性の理解を増大させることが可能となる空前の機会を作り出している。KDIプログラムは、この機会の利用を促し技術的革新と社会への技術適用を加速することを目的としている。
 KDIは、多くの専門分野にまたがるNSFの財団全体のプログラム(Crosscutting Program)である。KDIプログラム全体では、1998年に40件、1999年に31件のプロジェクトが採択されている。(KDIホームページのプロジェクト・リストより。)

補足:1999年2月のPITAC(大統領情報技術諮問委員会)レポート「Information Technology Research: Investing in Our
Future」に以下のような記述があり、助成プログラムの公募における倍率が非常に高いことがわかる。「たとえば、NSFが支援しているKDIの公募では、わずか75件のプロジェクトしか助成が認められないことが発表されていても、高い関心を示す問い合わせが1100件を超え、850件を超える提案の応募があった。」

 KDI研究により次のような点が期待されている。

 1999年度のKDIは、

の3つに焦点を当てており、HuCS の研究開発は主としてKNに関して行われた。LISは、HCPPの「ETHR」に、NCCは同じく「HECC」に対応する。

 

(2)知識ネットワーク(KN、Knowledge Networking)

KNの活動の目標は、

  1. 分散システムの中で知識が生成されて、対話が行われ、評価され、価値を得るまでの基本的な過程を理解すること、及び
  2. 知識の生成と利用、協調計算、および遠隔通信の、技術的・社会的・教育的・経済的な性能を向上させること、

にある。
 KNは、次世代の通信ネットワーク、関連情報リポジトリ、協調作業技術、および、新しくてより安全な方法で知識を収集・生成・分配・使用・評価するための知識管理技術を開発し利用するために、多くの専門分野からなる研究をサポートしている。その活動には、知識ネットワークにおける人間、行動、社会、倫理の面に関する研究が含まれている。
 KDIの助成プロジェクトは一括して扱われており、その中から人間中心システム(HuCS)を扱うIIS部門担当のものを抽出してみると、1998年度に6件、1999年度に4件採択されており、それぞれ2001年半ばから2002年半ば頃に終了する予定である。

表2.4-2 IIS部門担当の98年度KDI助成プロジェクト(6件)
採択番号(Award Number)
タイトル(Title)
開始
終了
助成 Type
総額(見込)
NSF
プログラム
研究組織
1) 9873005
KDI: Networked Engineering
ネットワーク化されたエンジニアリング
10-01-98
09-30-01
Standard Grant
$1,200,000
KDI/KN
Drexel University
2) 9872849 → 9996088
KDI: Segmental and Prosodic Optical Phonetics for Human and Machine Speech Processing
人間と機械の音声処理のための音節と音韻律の視覚的音声学
10-01-98
09-30-01
Standard Grant
$1,410,000
HCI
(HUMAN COMPUTER INTER)

U of Cal Los Angeles


House Ear Inst

3) 9872996
KDI: Multidisciplinary Collaboration
多くの専門分野による共同研究
01-01-99
12-31-01
Standard Grant
$1,300,000
CSS (COMPUTATION & SOCIAL SYSTEMS)
Carnegie Mellon University

4) 9873009
KDI: Universal Information Access: Translingual Retrieval, Summarization, Tracking, Detection and Validation
ユニバーサル情報アクセス:言語を越えた検索、要約作成、追跡、検出、および検証

10-01-98
09-30-01
Standard Grant
$ 1,981,973
HCI
(HUMAN COMPUTER INTER)
Carnegie Mellon University

5) 9872995
KDI: Multimodal Collaboration Across Wired and Wireless Networks
有線ネットワークと無線ネットワークにまたがった多様式の協同作業

10-01-98
09-30-01
Standard Grant
$2,196,006
HCI
(HUMAN COMPUTER INTER)
Rutgers Univ

6) 9873156
KDI: A Distributed Cognition Approach To Designing Digital Work Materials For Collaborative Workplaces
共同作業場のためのディジタル作業資料の設計への分散認識アプローチ

07-01-99
06-30-02
Continuing Grant
$1,600,000
CSS (COMPUTATION & SOCIAL SYSTEMS)
U of Cal San Diego
注)Award Abstract:「http://www.nsf.gov/cgi-bin/showaward?award=xxxxxxx」(xxxxxxxはAward Number)
注)Standard Grantは、期間と金額をあらかじめ明確にして助成を行い、原則的には助成の追加延長は行わない。Continuing Grantは、初期期間の成果による支援の継続の可能性を残しておく。

 

表2.4-3 IIS部門担当の99年度KDI助成プロジェクト(4件)
採択番号(Award Number)
タイトル(Title)
開始
終了
助成 Type
総額(見込)
NSF
プログラム
研究組織
1) 9980166
KDI: 3D Knowledge: Acquisition, Representation and Analysis in a Distributed Environment
3次元知識:分散環境における獲得、表現、及び分析
09-01-99
08-31-02
Standard Grant
$2,100,000
KDI-COMPETITION
Arizona
State
University
2) 9980109
KDI: Co-evolution of Knowledge Networks and 21st Century Organizational Forms: Computational Modeling and Empirical Testing
知識ネットワークの協調進化と21世紀組織形態:計算モデル化と実験に基づくテスト
09-01-99
08-31-02
Standard Grant
$1,500,000
KDI-COMPETITION

U of Illt

3) 9980013
KDI: The Importance of Shared Visual Environments for Collaborative Tasks
協調作業のための共有ビジュアル環境の重要性
09-01-99
08-31-02
Standard Grant
$1,300,000
KDI-COMPETITION
Carnegie
Mellon
University

4) 9979860
KDI: Automated Design and Discovery of Novel Pharmaceuticals using Semi-Supervised Learning in Large Molecular Databases
大きな分子データベースにおいて半管理学習を用いた新薬の自動設計と発見

09-01-99
08-31-02
Standard Grant
$1,200,000
KDI-COMPETITION
Rensselaer
Polytech
Inst
注)Award Abstract:「http://www.nsf.gov/cgi-bin/showaward?award=xxxxxxx」(xxxxxxxはAward Number)

参考

[1] KDIホームページ:KNOWLEDGE AND DISTRIBUTED INTELLIGENCE (KDI).
http://www.ehr.nsf.gov/kdi/
[2] NSF PROSPECTUS "KNOWLEDGE AND DISTRIBUTED INTELLIGENCE (KDI)"
http://www.scd.ucar.edu/info/KDI/KDIprospectus.html
[3] KDI - Workshop On Distributed Heterogeneous Knowledge Networks
http://www.scd.ucar.edu/info/KDI/
[4] KDI - Workshop On Knowledge Networking Processes
http://www.lrsm.upenn.edu/lrsm/KNP.html
[5] KN - Workshop On HUMAN DIMENSION of KNOWLEDGE NETWORKING
http://alexandria.sdc.ucsb.edu/workshops/NSF/
[6] Knowledge Networking(Abstract)
http://www.scd.ucar.edu/info/FORMS/KNP1-6.html

 

2.4.3 STIMULATE(Speech, Text, Image, and Multimedia Advanced Technology Effort)

 STIMULATEは、人間とコンピュータとの対話を改善しようとするマルチエージェンシー(NSF、DARPA、NSA)の活動である。ジェスチャ、表情、筆跡、イメージ、ビデオなどの多様な言語や様式を使用して、新たな革新的なコンピュータ・インターフェイスを開発することに焦点を置いている。STIMULATEは、身体に障害を持つ人、文盲の人、そして、その他のコンピュータ・キーボードを使えないような人達はもとより、非常に大量のデータを処理しなければならない人なら誰に対しても、非常に大きなインパクトを与える潜在力を持っている。
 STIMULATEは、15の助成プロジェクトが採択され1997年3月より開始している。ほとんどのプロジェクトが、今丁度、終了の時期に来ているが、一部を除いてContinuing Grantとなっており、継続して助成が行われる可能性もある。

助成プロジェクトのテーマ例:

表2.4-4 STIMULATEの助成プログラム(15件)
採択番号(Award Number)
タイトル(Title)
開始
終了
助成 Type
総額(見込)
研究組織
1) 9618731
STIMULATE: A Hierarchical Framework for Speech Recognition and Understanding
音声の認識と理解のための階層的フレームワーク
03-01-97
02-28-01
Continuing Grant
$710,543
MIT
2) 9619126
STIMULATE: Multimodal Access to Spatial Data
空間データへのマルチモーダル・アクセス
03-01-97
02-29-00
Continuing Grant
$748,424

SRI
International

3) 9618848
STIMULATE: Human-Computer Communication and Collaboration
人間−コンピュータ間のコミュニケーションと協同作業
03-01-97
02-29-00
Continuing Grant
$795,900
Harvard
University

4) 9619114
STIMULATE: Video Scene Segmentation and Classification Using Motion Information
モーション情報を用いたビデオ・シーンのセグメント化と分類

03-01-97
02-29-00
Continuing Grant
$538,520
Polytechnic
Univ of NY
5) 9618941
STIMULATE: Generalized Example-Based Machine Translation
一般化された事例ベースの機械翻訳
03-01-97
02-29-00
Continuing Grant
$723,304
Carnegie
Mellon
University
6) 9618926
STIMULATE: Modeling Structure in Speech above the Segment for Spontaneous Speech Recognition
自然音声の認識のための音節より上の音声構造のモデリング
03-01-97
02-29-00
Continuing Grant
$458,070
Boston
University
7) 9619124
STIMULATE: An Environment for Illustrated Briefing and Follow-up Search Over Live Multimedia Information
図解による概況説明と生のマルチメディア情報に対する継続調査のための環境
03-01-97
02-29-00
Continuing Grant
$732,056
Columbia
University
8) 9618939
STIMULATE: A Unified Framework for Multimodal Conversational Behaviors in Interactive Humanoid Agents
対話型ヒューマノイド・エージェントにおける多様式の対話の振る舞いのための統一フレームワーク
03-01-97
02-29-00
Continuing Grant
$725,226
MIT
9) 9618854
STIMULATE: Synergistic Multimodal Communication in Collaborative Multiuser Environments
マルチユーザ協調作業環境における共働マルチモーダル・コミニュケーション
03-01-97
02-29-00
Continuing Grant
$778,440
Rutgers Univ
10) 9618797
STIMULATE: Generating Coherent Summaries of On-Line Documents: Combining Statistical and Symbolic Techniques
オンライン文書の筋の通った要約の作成:統計的技術と記号的技術の結合
03-01-97
02-29-00
Standard Grant
$438,878
Columbia
University
11) 9619117
STIMULATE: Multimodal Indexing, Retrieval, and Browsing: Combining Content-Based Image Retrieval with Text Retrieval
多様式(マルチモーダル)の索引付け、検索、およびブラウジング:コンテント・ベースのイメージ検索をテキスト検索と結びつける
03-01-97
02-29-00
Continuing Grant
$769,111
U of
Massachusetts
Amherst
12) 9618874
STIMULATE: Exploiting Nonlocal and Syntactic Word Relationships in Language Models for Conversational Speech Recognition
会話音声認識のための言語モデルにおける非局所的かつ構文的な単語間関係の開発
03-01-97
02-29-00
Standard Grant
$749,994
Johns Hopkins
University
13) 9618838 STIMULATE: Tools for Lexicon Building
用語辞書構築のためのツール
03-01-97
02-29-00
Continuing Grant
$757,039
Internationl
CompSci Inst
14) 9619921
STIMULATE: Modeling and Automatic Labeling of Hidden Word- Level Events in Spontaneous Speech
自然音声における省略された単語のレベルの事項のモデル化と自動ラベル付け
03-01-97
02-29-00
Continuing Grant
$769,968
SRI
International
15) 9618887
STIMULATE: Gesture, Speech and Gaze in Discourse Management
会話管理におけるジャスチャー、音声、および凝視
03-01-97
02-29-00
Continuing Grant
$748,379
U of Illinois
Chicago
注)Award Abstract : http://www.nsf.gov/cgi-bin/showaward?award=xxxxxxx (xxxxxxxはAward Number)
注)このすべてのプロジェクトはHCIプログラム(Human-Computer Interaction Program)として扱われている。

参考

[1] NSF News "Can Computers Communicate Like People Do?"
http://www.nsf.gov/od/lpa/news/press/pr9714.htm#attachment

 

2.4.4 ディジタルライブラリ・イニシアティブ・フェーズ2 (DLI2 or DLI Phase2:Digital Libraries Initiative, Phase 2)

 連邦政府によってサポートされたディジタルライブラリ研究(DLI Phase1、1995〜1998)の成功に基づき、ディジタル革命の進展を支援する目的で、DLI Phase2が展開されている。
 DLIは、Phase1、Phase2ともにマルチエージェンシー・プログラムとして実施され、NSFではIIS部門(The Division of Information and Intelligent Systems)のSpecial Project(IIS)プログラムとして扱われている。

 

A. DLI Phase1

 1995年(会計年度)に始められた最初のディジタルライブラリ・イニシアティブは、4年間のプログラムであり1998年に終了した(Phase1)。その目標は、いろいろな電子化フォームに蓄えられたさまざまなタイプの情報とコンテンツを含むグローバルに分散された知識資源を収集、格納、整理、使用する方法を進歩させることであった。 これは、NSF、DARPA、NASAの共同助成により、6つの大学のプロジェクトが実施された。各プロジェクトが異なった分野を指向し、プロジェクト間交流や、テストベッドによるコンテンツや技術の評価も行われ、一つの新しいDLシステムが作り上げられたというものではないが、コンテンツ、情報技術、利用者(および利用環境、制度)の総合的な面からの研究の必要性に関する広い理解を得られ、非常に肯定的に評価された。
 いろいろな分野(コンピュータ、通信、出版)の企業が関心を示して協力し、結果的には政府からの助成と企業支援の割合が50:50にもなっている(例えば、Stanford大学では、15企業より支援を受けた)。また、その成果から、直接または間接的に様々な検索エンジン関連企業が起業し、産業活性化の意味でも非常な成功を収めたといえる。

表2.4-5 DLI Phase1の6つの助成プロジェクト
  Award Number
Title
最終更新
開始
終了
助成タイプ
総額(見込)
研究組織
1 9411306
The Stanford Integrated Digital Library Project
スタンフォード統合ディジタルライブラリ・プロジェクト
03-13-98
09-01-94
08-31-99
Cooperative
Agreement
$4,516,573
Stanford
University
2 9411318
Building the Interspace: Digital Library Infrastructure for a University Engineering Community
インタースペースの構築:大学のエンジニアリング・コミュニティのためのディジタルライブラリ・インフラストラクチャ
09-21-99
09-01-94
08-31-00
Cooperative
Agreement
$4,674,232

U of Ill Urbana-Champaign

3 9411287
The University of Michigan Digital Libraries Research Proposal
ミシガン大学ディジタルライブラリ研究提案
08-20-98
09-01-94
08-31-00
Cooperative
Agreement
$4,357,199
University of Michigan
4

9411330
The Alexandria Project: Towards a Distributed Digital Library with Comprehensive Services for Images and Spatially Referenced Information
アレクサンドリア・プロジェクト:イメージと空間的に参照される情報のための包括的サービスを持つ分散ディジタルライブラリに向けて

07-15-98
09-01-94
08-31-99
Cooperative
Agreement
$4,394,188
U of Cal Santa Barbara
5

9411334
The Environmental Electronic Library: A Prototype of a Scalable, Intelligent, Distributed Electronic Library
環境電子ライブラリ:スケーラブルで知的な分散電子ライブラリのプロトタイプ

07-16-98
09-01-94
08-31-98
Cooperative
Agreement
$4,021,998
U of Cal Berkeley
6

9411299
Informedia: Integrated Speech, Image and Language Understanding for Creation and Exploration of Digital Video Libraries
インフォメディア:ディジタルビデオライブラリの生成と探査の為の統合化された音声、イメージ及び言語の理解

08-14-98
09-01-94
02-29-00
Cooperative
Agreement
$6,000,000
Carnegie Mellon University
注意:DLI Phase1は1998年で終了したが、上の表から、ほとんどのプロジェクトは、1999〜2000年まで延長して継続して助成を受けていることがわかる。

 

B. DLI Phase2

B.1 助成機関と協力機関

 現在、フェーズ2では助成機関も増え、さらに国立公文書・記録管理局(NARA)、スミソニアン協会(SI)、美術館・図書館業務研究所(IMLS)等の協力も得て、マルチエージェンシーのプログラムとして活動が行われている。

● 助成機関(と対応プログラム、又は対応部門)

1) NSF (National Science Foundation、全米科学財団)                   http://www.nsf.gov/
Digital Libraries Initiative(Special Project(IIS))
http://www.interact.nsf.gov/cise/descriptions.nsf/30ff6e7ea7d05a0d85256659004c0237/60968e12ff1f03d6852565d90059a9b0?OpenDocume
2) DARPA(Defense Advanced Research Projects Agency、国防高等研究計画局)  http://www.darpa.mil/
Information Technology Office                              http://www.darpa.mil/ito/
3) NLM (National Library of Medicine、国立医学図書館)                  http://www.nlm.nih.gov/
Extramural Programs                                     http://www.nlm.nih.gov/ep/
4) LOC (Library of Congress、議会図書館)                          http://www.loc.gov/
Digital Library Initiatives                                  http://lcweb2.loc.gov /ammem/dli2/
5) NEH (National Endowment for the Humanities、人文基金)                http://www.neh.gov/
Digital Library Initiative                                 http://www.neh.gov/html/guidelin/dli2.html
6) NASA(National Aeronautics & Space Administration、米国航空宇宙局)       http://www.nasa.gov/
7) FBI (Federal Bureau of Investigation)                           http://www.fbi.gov/

● 協力機関

  1. NARA(National Archives and Records Administration、国立公文書・記録管理局) http://www.nara.gov/
  2. SI(Smithsonian Institution 、スミソニアン協会) http://www.si.edu/
  3. IMLS(Institute of Museum and Library Services、美術館・図書館業務研究所) http://www.imls.fed.us/

 

B.2 目的と概要(Overview)

 DLI Phase2は、次世代のディジタルライブラリ開発のための基礎研究における指導的地位の確立を目指すものである。グローバルに分散したネットワーク化された情報源の利用と利便性を向上させ、既存及び新規のコミュニティーの、革新的なアプリケーション領域への進出・活動を活発化させることを目的としている。
 ディジタルライブラリは知的なインフラを提供するので、このイニシアチブでは、教育、エンジニアリングと設計、地球科学と宇宙科学、生物科学、地理学、経済学、そして芸術と人文科学のような領域において、次世代の実用的なシステムを創造するために必要な協力関係の締結促進にも目を向けている。
 この計画は、情報の生成、アクセス、利用から蓄積、保存に至るまでのディジタルライブラリの全ライフサイクルを対象とする。例えば、研究、教育、商取引、防衛、保健サービスやレクリェーションといったような人間の活動領域において、新しいディジタルライブラリの能力が持つ、長期的視点での、社会的、行動学的および経済的な意味と効果をよりよく理解するための研究は、このイニシアチブの重要な部分の一つである。

 

B.3 中心となる分野(Focus areas)

 DLでは次の分野に重点を置いている。

研究課題としては、以下のようなものが、現在のDLプロジェクトに含まれている。

 

B.4 NSFのSpecial Project(IIS)プログラムのAwards概要分析

 DLIはNSFではIIS部門の担当するSpecial Project(IIS)として実施されているので、具体的にどのようなプロジェクトが行われているかを網羅的に調べるために、NSFのAwardプロジェクト・データベース(NSFのAward Abstract検索画面)から該当する助成の内訳を分析してみた。その結果、助成対象は表2.4-5に示したDLI1のプロジェクトに加え、おおよそ以下のように分類された。

  1. 一般のDLI2研究開発助成プロジェクト
  2. 大学生教育関連(Undergraduate Emphasis)のDLI2助成プロジェクト
  3. DLI2エージェンシー間共同プロジェクト (助成タイプがInteragency Agreementのもの。1プロジェクトのみ。)
  4. 国際ディジタルライブラリ(DL)共同研究プログラムの助成プロジェクト(後述)
  5. DL助成プロジェクト公募関連のNSF業務外注(と思われる) DLI2及び国際DLの助成プロジェクト公募に対するプロポーザルの処理とデータエントリの外部発注(助成タイプ:BOA/Task Order)
  6. ワークショップ、コンファレンス、ミーティングへの助成

 これらについて、以降の節で順次説明する。

 

B.4.1 一般のDLI2助成プロジェクト(Undergraduate Emphasis以外)

 表2.4-6の001〜021のプロジェクトは、DLI2ホームぺージ[1]にある「DLI2 Funded Projects」一覧にあるプロジェクトと一致する。さらに022も、内容からこの分類に入ると判断される。表内の順番は、001〜021までをDLI2 Funded Projectsの一覧に合わせてある(大学名のアルファベット順)。

表2.4-6 一般のDLI2助成プロジェクト(Undergraduate Emphasis以外)
  Award Number
Title
開始
終了
助成タイプ
総額(予想)
研究組織
001 9817473
DLI-Phase 2: High-Performance Digital Library Classification Systems: From Information Retrieval to Knowledge Management
ハイパーフォマンス・ディジタルライブラリ分類システム:情報検索から知識管理まで
05-01-99
04-30-02
Continuing Grant
$499,998
U of Arizona
アリゾナ大学
002 9817353
DLI-Phase 2: Re-inventing Scholarly Information Dissemination and Use
学究的情報の流布・普及と利用の再発明
04-01-99
03-31-04
Cooperative
Agreement
$5,000,000

U of Cal Berkeley
カリフォルニア大学
バークレー校

003 9874771
A Multi-media Digital Library of Folk Literature
民族文学のマルチメディア・ディジタルライブラリ
07-01-99
06-30-02
Continuing Grant
$495,317
U of Cal Davis
カリフォルニア大学
デービス校
004

9817432
DLI Phase 2: Alexandria Digital Earth Prototype
アレクサンドリア・ディジタルアース・プロトタイプ

09-01-99
08-31-04
Cooperative
Agreement
$5,400,000
U of Cal Santa Barbara
カリフォルニア大学
サンタバーバラ校
005 9817496
DLI Phase 2: Informedia-II: Integrated Video Information Extraction and Synthesis for Adaptive Presentation and Summarization from Distributed Libraries
インフォメディア-Ⅱ:分散ライブラリからの適応的なプレゼンテーションと要約化のための統合化されたビデオ情報の抽出と合成
05-01-99
04-30-03
Cooperative Agreement
$4,000,000
Carnegie Mellon University
カーネギーメロン大学
006 Simplifying Integrative Layout and Video Editing and Reuse
(IIS-9817527 : NSFにAward Abstract記述が存在しない)
簡単化された対話的なレイアウトとビデオ編集と再利用
Carnegie Mellon University
カーネギーメロン大学
007 9817434
DLI-Phase 2: A Patient Care Digital Library: Personalized Retrieval Summarization of Multimedia Information
患者の看護のディジタルライブラリ:マルチメディア情報の個人向け検索要約
09-01-99
08-31-04
Cooperative
Agreement
$5,002,375
Columbia University
コロンビア大学
008 9817416
DLI-2: Security and Reliability in Component-based Digital Libraries
コンポーネント・ベースのディジタルライブラリにおけるセキュリティと信頼性
05-01-99
04-30-03
Cooperative
Agreement
$2,268,608
Cornell University-Endowed
コーネル大学
009 9874747
DLI-Phase 2: An Operational Social Science Digital Data Library
オペレーショナルな社会科学のディジタルライブラリ
07-01-99
06-30-02
Continuing Grant
$1,800,000
Harvard University
ハーバード大学
010 9817572
DLI-Phase 2: A Distributed Information Filtering System for Digital Libraries
ディジタルライブラリのための分散情報フィルタリング・システム
06-15-99
05-31-02
Standard Grant
$315,387
Indiana U Bloomington
インディアナ大学
011 9817430
DLI-2: Digital Workflow Management: The Lester S. Levy Digitized Collection of Sheet Music, Phase Two
ディジタル・ワークフロー管理:Lester S. Levyのディジタル化された楽譜のコレクション
4-15-99
03-31-02
Continuing Grant
$529,951
Johns Hopkins University
ジョンズホプキンス大学
012 9817483
The Digital Atheneum: New techniques for restoring, searching, and editing humanities collections
ディジタル図書室(or ディジタル・アテネ神殿):人文科学コレクションの復旧、検索、及び編集
03-15-99
02-28-02
Standard Grant
$499,924
U of Kentucky Res Fdn
ケンタッキー大学
013 9817485
DLI-2: A National Gallery of the Spoken Word
話し言葉の国民ギャラリー
09-01-99
08-31-04
Continuing Grant
$3,599,989
Michigan State University
ミシガン州立大学
014 9817492
Tracking Footprints Through an Information Space: Leveraging the Document Selections of Expert Problem Solvers
情報空間の足跡追跡:専門の問題解決者のドキュメント選択をテコ入れする
01-01-99
12-31-01
Continuing Grant
$649,997
Oregon Health Sciences U
オレゴン保健科学大学
015 9817444
DLI Phase-2: DATA PROVENANCE
データの起源
06-01-99
05-31-02
Continuing Grant
$504,988
U of Pennsylvania
ペンシルバニア大学
016 9817518
DLI- Phase 2: A Software and Data Library for Experiments, Simulations, and Archiving
実験、シミュレーション、及びアーカイビングのためのソフトウェアとデータのライブラリ
04-01-99
03-31-03
Standard Grant
$1,199,215
U of SC Columbia
サウスカロライナ大学
017 9817799
DLI-Phase 2: StanfordInterLib Technologies
スタンフォードInterLibテクノロジー

04-01-99

03-31-04

Cooperative Agreement
$4,297,585
Stanford University
スタンフォード大学
018 9817511
Image Filtering for Secure Distribution of Medical Information
医学情報の安全な配給のためのイメージ・フィルタリング
01-01-99
12-31-01
Standard Grant
$519,594
Stanford University
スタンフォード大学
019 9874781
DLI-Phase 2: A Digital Library of Vertebrate Morphology, Using High-Resolution X-ray CT
高解像度のX線CTを用いた、脊椎形態学のディジタルライブラリ
06-01-99
05-31-02
Continuing Grant
$499,964
U of Texas Austinテキサス大学
020 9817484
DLI-Phase 2: A Digital Library for the Humanities
人文科学のためのディジタルライブラリ
06-15-99
05-31-04
Continuing Grant
}$2,758,400
Tufts University
タフツ大学
021 9874759
Automatic Reference Librarians for the World Wide
WebWorld Wide Web用の自動の参照図書館司書機能
01-01-99
12-31-01

Continuing Grant
$598,110

U of Washington
ワシントン大学
022 9907296
SGER: Making Web Publishing Irreversible
SGER:Web出版を逆行不可にする
(訳注:購読したインスタンスが失われないようにする仕組み)
09-01-99
02-28-01
Standard Grant
$50,000
Stanford
University
スタンフォード大学
注意:006は、DLI2ホームページの「DLI2 Funded Projects一覧」に現れるが、NSFのAward Abstractが存在しないので、プロジェクトと組織の名前だけ載せた。(DLI2 Funded Projects:http://www.dli2.nsf.gov/projects.html)

これらの内、以下のものが、Blue Book 2000に紹介されている。

 

●NSF Award Number:9817492(表2.4-6 No.014)
 情報空間の足跡追跡:専門の問題解決者のドキュメント選択をてこ入れする

 Oregon Graduate Institute of Science and Technologyでは、問題解決者が大規模で複雑な情報空間の中で、冗長な情報や無関係な情報に心をなやますことなく、必要な情報を見つけ出すことの支援に取り組んでいる。この研究は、ヘルスケアに焦点を当てたものである。患者の医療記録は、長期間にわたって、異なる目的のために多数のヘルスケア専門家によって作られており、一般的には、大きく複雑で地理的に分散されたドキュメントの集まりである。このアプローチでは、専門家が問題を解決したり、その情報を別の人のために利用する場合に、専門家が使用した情報を捕捉して追跡する。この研究は、情報を探す内科医の振る舞いに注目する医者と、規則正しく構成された情報を抽出・利用するコンピュータ科学者からなる、複数の専門分野にまたがるチームによって行われている。

●NSF Award Number:9817511(表2.4-6 No.18)
 信頼できるイメージの普及(TID:Trusted Image Dissemination)
(注:Award Titleは、"Image Filtering for Secure Distribution of Medical Information")

 最近のコンピューティングは、イメージ情報の利用を非常に容易にしたので、テキストだけでなくイメージをフィルタリングすることも不可欠になってきている。セキュリティやプライバシーの保護をマルチメディア・データベースにまで広げることを可能にするために、スタンフォード大学では、マルチメディア・ドキュメントのコンテンツをチェックする従来の方法を補うイメージ・フィルタリング機能を提供するTID技術を研究している。TIDは、患者の電子記録に含まれるイメージ内の情報を制限あるいは選別して、セキュリティやプライバシの侵害を避けるために使用される予定である。TID研究の作業は、以下のことに焦点を置いている。

●NSF Award Number:9874759 (表2.4-6 No.021)
 ワールド ワイドWeb(World Wide Web)用の自動参照の図書館司書機能

 ワシントン大学では、人々がWebから高品質の情報を効率的に検索するのを助けるために、より強力な自動参照ツールを開発している。その主要な目標は、複雑な話題については限られた理解だけしか想定しないが、情報をどこからどうやって見つければよいかについての洗練された理解に基づく「参照インテリジェンス」を有するソフトウェア・エージェントを創り出すことにある。この参照インテリジェンスは、図書館司書の人間による参照をエミュレートする。(人間の)図書館司書は、通常、問い合わせられた話題(例えば、計算流体力学)の専門家ではないが、その(流体力学の国際ジャーナルのような)話題についての関連リソースを識別することにおいては専門家である。

 

B.4.2 大学生教育関連(Undergraduate Emphasis)DLI2助成プロジェクト

 DLI2ホームぺージ[1]の「DLI2 Funded Projects」一覧が、一般プロジェクトと大学生教育関連(Undergraduate Emphasis)プロジェクトを区別しているので、それにならって、ここでも両者を区別した。表2.4-7の1〜6のプロジェクトは、DLI2ホームぺージのUndergraduate Emphasisのプロジェクトと一致する。さらに7も、内容からこの分類に入ると判断される。

 

B.4.3 DLI2エージェンシー間共同プロジェクト

 上記のプロジェクト群の他に、助成タイプが、「Interagency Agreement」のものが、1プロジェクトのみ存在した(表2.4-8)。

表2.4-7 DLI2助成プロジェクト(Undergraduate Emphasis)
  Award Number
Title
開始
終了
助成タイプ
総額(予想)
研究機関
1 9817406
Using the National Engineering Education Delivery System as the Foundation for Building a Test-Bed Digital Library for Science, Mathematics, Engineering and Technology Education
科学、数学、工学、技術の教育のためのテストベッド・ディジタルライブラリ構築の基盤として米国工学教育デリバリ・システムを使う
10-01-98
09-30-99
Standard Grant
$200,000
U of Cal Berkeley
カリフォルニア大学
バークレー校
2 9979967
DLI-Phase2: Columbia Earthscape: A Model for a Sustainable Online Educational Resource in Earth Sciences
コロンビアの地球風景:地球科学における支持できるオンライン教育リソース
12-01-99
11-30-02
Standard Grant
$581,068

Columbia University
コロンビア大学

3 9980130
DLI-Phase 2: Research on a Digital Library for Graphics and Visualization Education
グラフィクスとビジュアライゼーションのためのディジタルライブラリに関する研究
10-01-99
09-30-02
Continuing Grant
$330,278
Ga State U Res Fdn, Inc.
ジョージア州立大学
4

9909086
DLI-Phase 2: Digital Libraries for Children
子供のためのディジタルライブラリ

10-01-99
12-31-02
Continuing Grant
$613,437
U of MD
メリーランド大学
5 9816026
Planning Grant for the Use of Digital Libraries in Undergraduate Learning in Science
大学生の科学学習におけるディジタルライブラリ利用のための計画グラント
10-01-98
09-30-99
Standard Grant
$80,355
Old Dominion Research Fdn
オールドドミニオン
大学
6 9816644
Virtual Skeletons in Three Dimensions: The Digital Library as a Platform for Studying Web-Anatomical Form and Function
3次元の仮想骨格:Webで解剖学的な形と機能を勉強するためのプラットフォームとしてのディジタルライブラリ
10-01-98
09-30-00
Continuing Grant
$287,147
U of Texas Austin
テキサス大学
オースチン
7 9980116
DLI-Phase 2: Developing a Prototype National Digital Library for Science, Mathematics, Engineering and Technology Education
SEMETEの米国ディジタルライブラリのプロトタイプの開発
10-01-99
09-30-01
Standard Grant
$399,999
U of Cal Berkeley
カリフォルニア大学
バークレー校

 

表2.4-8 DLI2 Inter-Agencyプロジェクト
Award Number
Title
開始
終了
助成タイプ
総額(予想)
研究組織
9910763
Visible Human Project Atlas of the Head and Neck, and Visible Human Project Computer Imaging Tools
ビジブルヒューマン・プロジェクトの頭と首のアトラス、及び、ビジブルヒューマン・プロジェクトのコンピュータ・イメージング・ツール
08-01-99
07-31-00
Interagency
Agreement
$300,000
National Library of MediciNLM
(国立医学図書館)

 このプロジェクトは、HPCC Blue book 2000にある以下の説明に対応する。

 

●医学情報科学(Medical Informatics)

 2000年度に、NLMは、医学情報科学(Medical Informatics)におけるDL研究に助成を行うが、これには、ヘルスケア消費者に役立つプロジェクトが含まれている。統一医学用語システム(UMLS:Unified Medical Language System)の知識ソースとビジブル・ヒューマン(Visible Human)データセットは、DLI Phase2プロジェクトにおける利用とテストのために、NLMによって利用可能にされる。 「統一医学用語システム」、「ビジブル・ヒューマン・データセット」については、2.5章「他省庁関連のHuCS研究開発」で説明する。

 

B.4.4 国際ディジタルライブラリ(DL)共同研究プログラムの助成プロジェクト

 重複する作業を避け、断片化されたディジタル・システムの開発を防ぎ、世界中の科学的な知識と学術的なデータの生産的な交流を奨励するために、NSFは、1999年度から、国際ディジタルライブラリ共同研究(International Digital Libraries Collaborative Research)プログラムの支援を行っている。このプログラムは、複数の言語・様式・メディアおよび複数の社会的・組織的コンテキストで利用できる情報システムの作成への貢献が期待される。
 このプログラムの目標は、場所や言語、形式の違いに無関係に、ユーザが容易にディジタル・コレクションにアクセスできるようにすること、及び、研究、教育、商業における幅広い利用を可能にすることである。
 グローバルな情報環境には、次のような研究が必要である。

表2.4-9 インターナショナル・プロジェクト
  Award Number
Title
開始
終了
助成タイプ
総額(予想)
研究機関
1 9905955
DLI-International: Metadata for Resource Discovery of Multimedia Digital Objects
マルチメディア・ディジタルオブジェクトの資源発見のためのメタデータ
10-01-99
09-30-02
Continuing Grant
$240,000
Cornell University-Endowed
コーネル大学
2 9907892
DLI-International: Integrating and Navigating Eprint Archives through Citation-Linking
引用リンクを通してEprintアーカイブを統合しナビゲートする
10-01-99
09-30-02
Continuing Grant
$291,650

Cornell University-Endowed
コーネル大学

3 9975164
DLI-INTERNATIONAL: Cross-Domain Resource Discovery: Integrated Discovery and Use of Textual, Numeric, and Spatial Data
領域に跨る資源発見:テキスト、数値、及び空間データの統合的な発見と利用
10-01-99
09-30-02
Continuing Grant
$306,004
U of Cal Berkeley
カリフォルニア大学
バークレー校
4

9905842
DLI-INTERNATIONAL: Online Music - Recognition and Searching
オンラインミュージック−認識と検索

10-01-99
12-31-02
Continuing Grant
$494,149
U of Massachusetts Amherst
マサチューセッツ
大学
5 9906025
DLI-INTERNATIONAL: IMesh
ToolkitIMeshツールキット
10-01-99
09-30-02
Continuing Grant
$480,166
U of Wisconsin Madison
ウイスコンシン大学
6 9901650
Planning Grant: International Collaboration on Cross-Language Information Retrieval
計画グラント:言語に跨る情報検索に関する国際協力
12-15-98
05-31-99
Standard Grant
$5,080
Carnegie Mellon University
カーネギーメロン
大学

 米国と他国との研究者間・研究組織間の長期的な持続した関係を育てるために、NSFは、複数国、複数チームによるプロジェクトへの米国参加に資金援助を行う。  研究領域としては、次のものが含まれる。

 

B.4.5 DL助成プロジェクト公募関連のNSF業務外注

 これは、NSF側のDLI2の1999年度、2000年度のプロジェクト提案公募、及び、インターナショナル・ディジタルライブラリ共同研究イニシアチブのためのプロジェクト提案公募に際しての、プロポーザル処理とデータエントリ支援を、外部に発注した費用に関するものと思われる。
 Award Abstractにも、タイトルと同程度の情報しか記述されていない。

表2.4-10 BOA/Task Order
  Award Number
Title
開始
終了
助成タイプ
総額(予想)
機関
1 9819272
Proposal Processing and Data Entry Support for the Digital Libraries Initiative-Phase
2DLI2プログラムのためのプロポーザル処理とデータエントリ支援
08-28-98
06-30-99
BOA/Task Order
$10,000
Allied Technology Group
2 9911741
Proposal Processing and Data Entry Support for the Digital L ibraries Initiative-Phase 2 Program
DLI2プログラムのためのプロポーザル処理とデータエントリ支援
08-27-99
05-31-00
BOA/Task Order
$15,000

Allied Technology Group

3 9907093
Proposal Processing and Data Entry Support for the International Digital Libraries Collaborative Research Initiative
インターナショナル・ディジタルライブラリ共同研究イニシアチブのためのプロポーザル処理とデータエントリ支援
02-23-99
10-29-99
BOA/Task Order
$8,000
Allied Technology Group

 

B.4.6 ワークショップ、コンファレンス、ミーティングへの助成(表2.4-11)

 これはワークショップ、コンファレンス、ミーティングに関する費用の助成である。

表2.4-10 BOA/Task Order
  Award Number
Title
開始
終了
助成タイプ
総額(予想)
発起人
1 9907293
NSF/ISTEC/CONACyT Digital Library Workshop
NSF/ISTEC/CONACyTディジタルライブラリ・ワークショップ
03-15-99
08-31-99
Standard Grant
$19,563
University of New Mexico
ニューメキシコ大学
2

9814034
Conference on the History of Science Information Systems
科学情報システムの歴史に関するコンファレンス

11-15-98
10-31-00
Standard Grant
$48,815

Chemical Heritage Foundation

3 9909123
EPSCoR Digital Library Meeting Proposal
EPSCoRディジタルライブラリ・ミーティング提案
07-01-99
12-31-99
Standard Grant
$63,640
Carnegie Mellon University
カーネギーメロン
大学
4 9809669
Workshop on Shape Computation
形状計算に関するワークショップ
08-15-98
07-31-99
Standard Grant
$30,465
MIT
5 9912077
Orphans of the Storm: Saving Orphan Films in the Digital Age
あらしの孤児:孤児の映画をディジタル年代に保管する
(standard workshop award)
09-15-99
12-31-99
Standard Grant
$35,070
U of SC Columbia
コロンビア大学

参考

[1] DLI Phase2ホームページ:http://www.dli2.nsf.gov/
[2] DLI Phase1ホームページ:http://www.dli2.nsf.gov/dlione/

 

2.4.5 バーチャル・ロサンゼルス

(1)バーチャル・ロサンゼルス(Virtual Los Angeles)
- 大規模な都市環境に対するリアルタイムの視覚化システム

 NSFの助成を受けたUCLAの都市シミュレーション・チームの研究者達は、「バーチャル・ロサンゼルス」を開発してきた。これは、長期にわたる都市シミュレーション・プロジェクトで、カスタム・シミュレーション・ソフトウェアとリアルタイム・データベース技術とを、効率的なモデル化手法と組み合わせたものである。
 シミュレーションは、街路レベルの画像と3次元構造、都市工学の地図、内部的に生成した草木ライブラリ、およびいろいろなサイト訪問と、ロサンゼルスの空中写真からなっている。壁の落書きや窓のサインのレベルまで正確で、「バーチャル・ロサンゼルス」は、きわめて濃密な都市環境のリアリスティックな3次元視覚モデルである。データは、4,000平方マイル以上がカバーされている。ユーザーは、バーチャル都市の中を飛んだり歩いたりすることができ、木や街のサインやそのほかビジュアルな目印も全部揃っている。
 NSFの支援するこのUCLAのプロジェクトの目標は、土木工学、都市デザイン、および都市計画の問題解決を支援することにある。「バーチャル・ロサンゼルス」のデータベースは、長期にわたるプロジェクトで、実世界の土木工学、都市デザイン、および都市計画などの多くの問題の対応に役立てるために使用できる。このプロジェクトには、ロサンゼルス地区全体のリアルタイムのバーチャル・モデルを表示する「バーチャルワールド・データサーバ(Virtual World Data Server)」の開発が残されている。研究者は、3次元の車内ナビゲーション・システム、ヘリコプターの飛行訓練システム、その他の輸送および交通の管理ツールを含むアプリケーションにも取り組んでいる。ロサンゼルスの消防局やその他の緊急対策チームは、緊急対応の目的にこれらのツールを利用するであろう。たとえば、隣接しているビルが利用可能な救出設備が届く高さよりも高いか低いかを調べることもできる。

 

(2)バーチャルワールド・データサーバ(Virtual World Data Server)

 「Virtual World Data Server」プロジェクトは、NSFのIIS部門の「INFORMATION & DATA MANAGEMENT」プログラムにより助成されている(表2.4-12)。

表2.4-8 DLI2 Inter-Agencyプロジェクト
助成番号(Award Number)
タイトル(Title)
Latest Amendment
開始
終了
助成タイプ
総額(予想)
研究組織

1) 9527178
 MDC: The Virtual World Data Server

09-14-99
09-15-95
08-31-00
Continuing Grant
$1,370,000
UCLA

 「Virtual World Data Server」は、巨大仮想環境のシミュレーションに使うことを目的としたマルチユーザ・分散・リアルタイムのデータサーバである。このシステムの最重要部分はリアルタイム・ストレージサーバ(RTSS、Real-Time Storage Server)である。RTSSは、空間的に分散した膨大な量のヘテロジニアスなデータ(1テラバイト超)を効率的に格納・検索できるように設計されている。RTSSは、高速ATM(high speed asynchronous transfer mode)接続を通して複数の対話型リアルタイム・シミュレーションと通信する。それは、現在のビューイング位置がどこで、ビューアーがどちらを向いているかを決定するために、各アクティブなシミュレーションとの間に双方向リンクを確立する。RTSSは、どの3次元情報が必要かの決定を行い、その情報をディスクから最適化されたやりかたで検索し、それをそのシミュレーションにジャスト・イン・タイムで配給する。
 RTSSは、先端的な3次元ビジュアル・シミュレーション・システムによって補完される。
 これらの2つのシステムが一緒になって、都市計画、医学、緊急応答、物理学、建築学、及び都市デザインなどを含む(が、これらに限定されない)さまざまな要求のきついアプリケーションをサポートすることができる。
 このシステムは、都市が計画され、科学や医学の実験が可視化される方法を、劇的に改善することを約束する。それは、コミュニティのメンバーや、興味を持った市民が、政策や計画における決定のインパクトを理解し評価することを可能にし、科学者が、今日可能なよりも100倍以上大きなデータセットの可視化を可能にする能力を提供する。

 

(3)バーチャルワールド・データサーバのサブ・プロジェクトの構成

 Virtual World Data Serverプロジェクトは、以下のサブ・プロジェクトで構成されている。

●サーバ:

  1. RIOストレージ・システム(The RIO Storage System)
  2. ラスター型RIOサーバ(The Clustered RIO Server)
  3. 3次元マルチメディア・ストレージサーバのためのネットワーク・トラフィック解析とモデリング(Network Traffic Analysis, Prediction and Modeling for 3D Multimedia Storage Server)
  4. マルチメディア・ストレージサーバのための階層的なQoSとスケジューリング (Hierarchical Quality of Service and Scheduling for Multimedia Storage Server)
  5. 写真のように現実感のある3次元対話型ビジュアルシミュレーションモデルのためのリアルタイム伝送システム(A Real-Time Transmission System for Photo-realistic 3D Interactive Visual Simulation Models)

●クライアント・アプリケーション:

  1. 大規模都市環境のためのリアルタイム・ビジュアライゼーション(可視化)システム(A Real-Time Visualization System for Large Scale Urban Environments)
  2. 医学のバーチャルリアリティ・システムにおける大規模で時間に依存して流れるデータセットの科学的ビジュアライゼーション(可視化)(Scientific Visualization of Large Time-Dependent Flow Datasets in Medical VR System)
  3. リアルタイムの物理学データのビジュアライゼーション(可視化)システム(Real-Time Physics Data Visualization System)

 

参考

[1] NSF News 「NSF Grant Brings "Virtual Worlds" to Life」
http://www.nsf.gov/od/lpa/news/press/99/pr9938.htm
注意:
上記のホームページからは、「For more information, see: http://mml.cs.ucla.edu/」とリンクが張られている。しかし、このリンク先は2000年3月末の時点までは、UCLAの「The Virtual World Data Server」プロジェクトのホームページであったが、それ以降、「UCLA Data Mining Laboratory」のホームページに変わっている。 以前のホームページからは、DEMO(movies)へのリンクがあり、動画のデモを見ることができたが、そのページは現時点ではまだ存在する。
(http://www.aud.ucla.edu/movies/jepson/)

 

2.4.6 ロボットによる外科手術(Robotic Surgery)

(1)Robotic Surgery

 NFSの支援により、Johns Hopkins大学ではコンピュータ統合手術(CIS、Computer-Integrated Surgery)という、急速に拡大しつつある分野に焦点を当てた研究を行っている。ここでは、計算機と工学技術の進歩が、伝統的な外科手術の限界を克服するのを助けている。CISシステムはより正確にかつより影響範囲を小さく外科手術を計画・実行できるように外科医の能力を拡大することによって、外科手術の費用の軽減という大きな国民ニーズに対応するとともに、臨床結果の改善、及び効率的ヘルスケア提供の改善を行う。
 1998年11月号の"Scientific American"は、次のように述べている。「病院の技術における次の変化は、数年以内にテレビ ドラマをあまりおもしろくないものにするかもしれませんが、しかし、手術室を、患者にとってより健康的な場所になるのを助けるはずです。手術台の周りに集められた緊張している人々に代わって、静かなロボットが1インチに満たない長さの切り口を通して、切開や縫合をしているかもしれません。手術をしている外科医は、患者の実際のイメージを問題の正確な位置を示す最新の診断イメージと結合するバーチャル・リアリティ・ヘッドセットを通して、体の深部を見つめながら、コンソールの所に座っているでしょう。外科医は、切開する前に、サイバー空間で手術の予行演習さえも、しているかもしれません。外科ツールを制御するマニピュレータは、最も小さな、最も正確な動きが可能となるでしょう。ですから、外科医の手がどんなに震えても大丈夫です。」

 

(2)Johns Hopkins大学のコンピュータ総合外科手術のためのエンジニアリング研究センター
(Engineering Research Center for Computer-Integrated Surgical Systems and Technology (CISST) at Johns Hopkins University)

 ロボット外科手術の進歩を促すために、NSFは、コンピュータ統合外科手術のシステムと技術(Computer-Integrated Surgery Systems and Technologies)の新しいエンジニアリング研究センター(Engineering Research Center)を設立した。この共同プロジェクトはJohns Hopkins大学が主導し、Johns Hopkins School of Medicine、 Johns Hopkins Applied Physics Laboratory、 MIT Project on Image Guided Surgery、Surgical Planning Group at Harvard University Brigham and Women Hospital、およびカーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University)とその系列のShadyside Hospitalが関与している。センターは、コンピュータ科学とロボットの専門家、電気、機械、生体臨床医学の技術者、および、放射線学、神経外科、泌尿器科、整形外科、および眼科などの分野を専門とする医師を集めている。
 CISSTは、新世代のコンピュータ統合外科手術システムを開発し、医者が正確な外科手術を行うのを助けるシステムと装置を作る為に、先端的なイメージ処理、ロボティクス、コンピュータ及び生体臨床医学のエンジニアリング技術を活用する。
 このプログラムに協力している病院は、CISSTに、臨床環境とコンピュータ支援外科手術システムの洗練化のための実際的な専門知識を提供する。目標は、患者の看護を改善する一方で、ヘルスケア費用を低減することである。このセンターは、エンジニアリングの学生と医学生の両方の教育にインパクトを与えるであろう。
 NSFの助成を受けた研究プロジェクトには以下のものが含まれる。

◇John Hopkins大学:

◇MIT:

◇カーネギーメロン大学:

 この研究の目標は、以下のような目的の一連のシステムを開発することである。

 

(3)補足:エンジニアリング研究センター(Engineering Research Center)について

 1999年度にNSFは、Georgia, Hawaii, Maryland, South Carolina、Virginiaの5つの新しいエンジニアリング研究センター(ERC)の設立に$10Mを投資した。5つの新センターは、細胞組織工学(tissue engineering)、コンピュータ支援外科手術、工業材料のコンピュータ・モデリングと可視化、パワー・エレクトロニクス、海洋生物生産物(marine bioproducts)などの分野を開拓する。
 NSFのエンジニアリング・アシスタント・ディレクターEugene Wong氏は次のように述べている。「研究は知識を拡大するので、工学・科学の古典的な分野間の知覚される境界は、不明瞭になりはじめている。ERC(エンジニアリング・リサーチ・センター)は、エンジニアリング技術のフロンティアを拡大するだけでなく、それらは、次世代のエンジニアリングのリーダーを準備するものである。」
 5つの新しい各センターは、産業界、州政府、及びパートナーの大学からの支援を受け、NSFからは初年度、$2Mを受け取る。NSFは5年間センターを支援し、その後はサポート契約(support agreement)の更新が必要となる。NSFは1985年以来、全国的に34のERCを設立してきた。
 NSFは、研究とエンジニアリングにおいて政府、産業界、及び大学の間のパートナーシップを育てる為に、ERCプログラムを作った。これらのパートナーシップの目的は、世界経済における米国産業の地位を強化することである。ERCパートナーシップは、勃興しつつある技術の進展を阻みかねない重要な研究課題の解決に有効に働く。ERCは先端技術の開発を行うので、リーダーシップとチームを起こすスキルにおいて実際的な経験を有する次世代のエンジニアの準備も行うことになる。

表2.4-13 5つの新Engineering Research Center
 
ERC
at
Core partner
industrial partners
1
Research Center for the Engineering of Living Tissues
Georgia Institute of Technology
Emory University School of Medicine.
Advanced Tissue Sciences, Baxter Healthcare, Johnson & Johnson, Proctor & Gamble, Sulzer CarboMedics, AtheroGenics, and others.
2

Engineering Research Center for Computer-Integrated Surgical Systems and Technology (CISST)

Johns Hopkins University
Carnegie Mellon University, Massachusetts Institute of Technology, Brigham & Women's Hospital (Boston) and Johns Hopkins Hospital (Baltimore).

AT&T, Circon Corporation, Elekta Instruments, Inc., Hewlett-Packard Company, Lockheed Martin Corporation, Mitsubishi Electronic Information Technology Center America, Inc., MRJ Technology Solutions, and others.

3
Center for Advanced Engineering Fibers and Films (CAEFF)
Clemson University
Massachusetts Institute of Technology
3M, Amoco Performance Products, Clark-Schwebel, Dow, DuPont, PPG, Shell, Owens Corning, and others
4
Center for Power Electronics Systems (C-PES)
Virginia Polytechnic Institute
University of Wisconsin-Madison, Rensselaer Polytechnic Institute, the North Carolina A&T State University, and the University of Puerto Rico at Mayaguez
Ford Research Laboratory, GM Advanced Technology Vehicles, National Semiconductor, Texas Instruments, Inc., Intel Corporation, Motorola, Inc., and others.
5
The Marine Bioproducts Engineering Center (MarBEC)
the University of Hawaii
University of California-Berkeley
Eastman Chemical Company, Aquasearch Inc., Aquatic Farms, Cyanotech Corporation, Genencor International, Hawaiian Electric Company, Monsanto Company, Precision Systems Science Co., and others.

 

参考

[1] NSF News "NSF Invests $10 Million in New Engineering Research Centers"
http://www.nsf.gov/od/lpa/news/press/pr9873.htm

 

2.4.7 ユニバーサル・アクセス
(Universal Access:すべての人々によるアクセス)

 1999年度にNSFは、個人が効率的で分かりやすい方法で情報を発見、処理、使用するのを支援する目的で、多年度にわたるUniversal Accessの研究を開始した。これは、IIS部門のHuman-Computer Interaction(HCI)プログラムとKnowledge and Cognitive Systems(KCS)プログラムの合同で指揮される。
 このuniversal accessに焦点を置いたHCI/KCS研究の主要な目的は、身体上の障害を持った人達に、第一級の市民として、現出しつつある情報社会に参加することを可能にする能力を与えることにある。しかしそれ以上にこの研究の焦点は、コンピュータ技術を発展させて、国民が多様式の(マルチモーダルな)情報の共有を通して、自然に苦痛なくコミュニケート出来るようにすることにある。しっかりと固く結ばれた「国家家族」のメンバーとして、彼らの生活をより豊かにかつ生産的にするために、全ての国民がコンピューティングのパワーを充分に使いこなすために必要な技術を保持することができるようになることで、国民全体に利益を与えることができる。
 これらの目標を達成するために、NSFは次のような新しいモデルとアーキテクチャを開発する。それらは、

 さらに、アクセスを提供する試みの成功度を評価するために実験的な研究を行う。 研究課題には、

などが含まれている。

表2.4-14 UNIVERSAL ACCESSの採択プロジェクト
 
助成番号(Award Number)
タイトル(Title)
開始
終了
助成タイプ
総額(予測)
研究機関
1
9978025
Modeling Pronunciation Variation for Universal Access to Speech Understanding
音声理解へのユニバーサル・アクセスの為の発音のバリエーションのモデル化
09-15-99
08-31-02
Continuing grant
$503,956
U of Colorado Boulder
2

9978566
Universal Access for the Partially Sighted Using Scanned Retinal Displays
スキャンによる網膜ディスプレイを用いた、弱視者の為のユニバーサル・アクセス

09-15-99
08-31-02
Continuing Grant
$439,341

U of Washington

3
9978021
Investigating Multi-Modality Tutoring: Toward Computer-Based Written English Support for Deaf Children
多様式の自習教育の研究:耳の聞こえない子供のためのコンピュータ・ベースのWritten Englishのサポート
08-15-99
07-31-02
Continuing Grant
$447,224
University of Delaware
4
9978183
Animated Icons as an Assistant During Interaction Between a Graphical User Interface and the Legally Blind/Partially Sighted
GUIと盲目/弱視者との間の対話のアシスタントとしてのアニメーティド・アイコン
08-15-99
07-31-02
Continuing Grant
$158,138
Arizona State University
5
9910607
Using Speech Recognition to Enhance Communication Capabilities for Individuals with Disabilities
身体障害者のコミュニケーション能力を増すための音声認識利用
09-01-99
08-31-02
Continuing Grant
$456,284
U of MD Baltimore County
6 9910738
SGER: ASL Synthesizer
SGER:ASLシンセサイザー
09-15-99
08-31-00
Standard Grant
$99,998
Stanford University
7 9906340
CONACyT: Speech Driven Facial Animation
CONACyT:会話音声に呼応した顔アニメーション
09-01-99
08-31-01
Standard Grant
$209,287
Wright State University
8 9875658
CAREER: Rendering Algorithms for Tactile and Haptic Display of Multidimensional Data
多次元データの、触知・タッチ型ディスプレイの為のレンダリング・アルゴリズム
09-01-99
08-31-03
Continuing Grant
$300,000
University of Delaware

参考

[1] Universal Access に注意を喚起するレター(NSF)
http://www.interact.nsf.gov/CISE/html.nsf/html/access?OpenDocument

 

2.4.8 Webアクセッシビリティ・イニシアティブ
(WAI :Web Accessibility Initiative)

 WWWコンソーシアム(W3C:The World Wide Web Consortium)は、新しいインターネット技術が物理的制約に関係なく確実にすべての個人に利用可能となるようにするために、WAIを実施することによって、世界中の組織と協力している。NSF、 教育省のNIDRR(the Department of Education's National Institute on Disability and Rehabilitation Research)、IBMとLotus Development社、Microsoft社、NCR社、および欧州委員会第13一般理事会(European Commission Directorate Generale XIII)管轄のTIDE Programmeの後援で、WAIは、Webアクセッシビリティに関する技術、ガイドライン、ツール、教育普及、および研究開発の5つの領域の作業をコーディネートしている。
 技術の領域では、WAIは、HTMLのコーディングやスタイルシート、マルチメディア、グラフィックス、移動体アクセス、およびその他のデータ・フォーマットとプロトコルなどの問題を扱っている。研究者達は、ブラウザのアクセッシビリティ・ガイドライン、オーサリング・ツールやコンテンツ・ツール、および、評価、修復、プロキシ変換等のためのツールも開発している。プログラム事務局は、WAIの技術的な活動を促進し、産業界、障害者組織、連邦政府、研究組織を含むWebアクセッシビリティへの関与者間のパートナーシップのコーディネートも行っている。

参考

[1] Web Accessibilityに関連するNSF文書
"Expert to Address Web Accessibility for Persons with Disabilities"
http://www.nsf.gov/od/lpa/news/media/ma9733.htm
"NSF Effort to Increase Access to the Web by People with Disabilities"
http://www.nsf.gov/od/lpa/news/press/pr9764.htm
[2] W3CのWAI(Web Accessibility Initiative)
http://www.w3.org/WAI/Activity.html
[3] Accessible Web Designのためのガイドラインへのリンク等
http://www.nsf.gov/oirm/web/access.htm

 

2.4.9 その他のテーマ(スペイン語インターフェイス)

 Blue Book 2000では、NSF関連では、さらに以下のテーマが説明されている。

● スペイン語インターフェイス

 情報化社会が出現する中で、スペイン語を話している人たちをサポートするため、Oregon Graduate InstituteのCenter for Spoken Language Understanding(CSLU)とUniversidad de las Americas Pueblaの研究者達は、(NSF、DARPA、Office of Naval Research(ONR)、Fonix社、およびインテル社(Intel)の共同出資を受けて)人間とコンピュータの対話のための話し言葉ツールキット(spoken language toolkit)のスペイン語バージョンに関して共同作業を行った。
 CSLUの音声ツールキット(CSL Speech Toolkit)は、話し言葉システムの研究、開発、および教育のための包括的なソフトウェア環境である。これは音声認識 音声合成、顔アニメーション、及び話者認識を統合しており、デスクトップや電話ベースの会話アプリケーションの素早く容易な開発を可能にするオーサリングと解析のツールを備えている。このソフトウェアは、非営利組織の研究・教育の目的では無料で利用できる。
 スペイン語のCSLU音声ツールキット(CSLU Speech Toolkit)は、スペイン語の音声認識と合成機能が取り入れられており、教授陣、スタッフ、学生がスペイン語の話し言葉システムを開発して、メキシコでコースを教える際に、音声技術のインフラ、研究、システム開発、教育における作業を加速することができる。

補足:

 これに関するNSFのAward Abstractは、表2.4-15のものが見つかるが、これは1998年9月終了となっている

表2.4-15
  助成番号(Award Number)
タイトル(Title)
開始
終了
助成タイプ
総額(予測)
研究機関
1
9614217
CONACyT: Advancing Human Language Technology in Mexico and the United States Through Collaborative Research on Spoken Language Systems
10-01-96
09-30-98
Continuing grant
$190,197
Oregon Graduate Institute

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