今、情報テクノロジは私たちの生活、ビジネス、社会の面で不可欠の要素になりつつある。マイクロプロセッサ、メモリ、ストレージ、ソフトウェア、通信テクノロジといった分野で技術革新が進むに伴い、購入しやすい価格でコンピュータやコンピューティング・デバイスの製品開発が可能になると同時に、低コストでしかも強力なシステムが実現されるようになった。またインターネット関連の標準とテクノロジが幅広く普及した結果、あらゆる要素とあらゆる人々をつなぐグローバル・コンピュータ・ネットワークも実現されるようになっている。
太古の昔から、ネットワークは発展と成長をもたらす機会を与えるとともに、私たちの経済や社会の機構を支える構造を構築してきた。古代ローマ帝国に作られた道路や水道に始まり、19世紀の大陸間道路網を経て、20世紀には通信、放送、衛星ネットワークが構築されるようになり、今や時間や空間の境界がなくなり、人間どうしの相互のやり取りや創意工夫のためのオープンな世界を開拓できるようになっている。
今日の民主的社会で、情報が何ら制限を受けずに、自由に流れることは不可欠の条件となる。情報テクノロジの技術進化は、こうした情報の流れを飛躍的に向上させるための潜在能力を持っているため、金融市場をはじめ、政府機関に至るまで私たちの社会制度全体が一段と向上することになる。しかし、情報の流れは単に「自由」であるだけにとどまらず、「公正」でなくてはならない。たとえば、金融市場ではこれまで、インサイダー取引といった不正使用から保護する必要があることを学んできた。また産業界や医療現場では、それぞれの顧客ごとに個人情報の不当な使用からも守らなければならない。社会制度の強化に向け情報テクノロジを利用する機会が増えるに伴い、自由で公正な情報の流れを保証すべく、潜在的な落とし穴や防衛手段を認識しておく必要がある。
21世紀を間近に控えた今日、各種のコンピュータ、装置、ソフトウェアなどを相互に接続した「情報インフラストラクチャ」は、過去のいずれのネットワークよりも、世界の社会構造や経済機構に、はるかに大きな影響を与えることになるのは疑う余地もない。コンピューティングとコミュニケーションにかかわるテクノロジの発展は、ここ10年の間ですでに私たちの社会のさまざまな側面で変化をもたらしてきた。こうした技術進歩は、私たちの考え方や人間関係、コミュニティのあり方、また娯楽やビジネス、教育、医療に至るまであらゆるサービスの形態に大きく変化させている。とは言え私たちは、まだこうした機会を手にしたばかりで、今後このテクノロジが成熟していくに伴って起きる変化を、ようやく経験し始めただけに過ぎない。
国内だけに限らず、あらゆる人々、組織、および関連する設備(自動車、ガソリン・メーター、家庭用サーモスタット、エアコンなど)を効果的にリンクさせる情報インフラストラクチャを円滑に構築するには、革新的な技術的進歩が必要とされている。情報テクノロジに関する積極的な研究開発プログラムを実施しない限り、こうした目標は達成できない。
しかしながら、技術上に難しい課題が残っている反面、全面的なネットワーク社会が実現されるまでに、社会/経済にかかわるさまざまな問題について留意しておく必要がある。したがって、当委員会では情報テクノロジが私たちの経済、社会、文化、政治制度に与えるプラス面での影響を深く認識した上で強化を図るべく、研究プログラム公募によって、必要な技術の進歩をサポートする研究公募を補完することを要求する。
情報革命は、基本知識、すなわち単に情報テクノロジのリテラシという次元にとどまらず、読み書きやコミュニケーション、チームワークといった基本的な能力が優先される。新しい能力を求める新しい仕事が創出され、旧式の仕事や能力が陳腐化していくに伴い、労働力を維持する上で教育やトレーニングは生涯を通じた追求の対象となる。国家は情報インフラストラクチャの恩恵があらゆる市民にもたらされるように保証する必要がある。この場合、大都市はもとより、地方の町村、都市部のスラム街、民族の抑留地、また富裕層、日常的にハンディキャップのある人々の間で格差があってはならない。新たな格差を生み出すためにではなく、われわれの社会における格差を埋めるためにこそ、情報テクノロジを用いるべきである。
ここ10年の間にコンピューティングとコミュニケーションの分野を中心として国家的な規模で進められている技術革新は、High Performance Computing Act of 1991 (P.L. 102-194)法で設置された連邦政府主導の研究プログラムにより、てこ入れされてきたものが少なくない。こうしたプログラムは、テラフロップ・コンピュータとギガビット・ネットワークの時代に備えて国家規模での準備を進めるHPCC (High Performance Computing and Communications:ハイパフォーマンス・コンピューティング/コミュニケーション)構想に基づいて実施されている。HPCC構想の中心は、適切なハイパフォーマンス・コンピューティング、コミュニケーション・テクノロジ、およびリソースを適用することにより、その成果に基づいて科学技術に関する新たな認識を提供する"Grand Challenges"で構成されるものである。当委員会では、HPCCプログラムの確固たる基礎をもとに、この構想をさらに拡大することにより、21世紀に私たちが直面する問題を構築する必要があると考える。
21世紀という新しい時代に向けた移行が、迅速に円滑に、しかも広範に保証されるように、大統領直轄の当情報テクノロジ諮問委員会では"National Challenge Transformations"に関する重要課題について10項目を取り上げることにした。これらの情報テクノロジ(IT)の変化により、21世紀に向けて私たちのコミュニケーション、情報の保存/アクセス、医療の受診、学習、ビジネス、仕事、物質の設計/製造、研究の実施、環境の維持、政府の管理に関する形態が影響されるようになる。こうした劇的な変化によって私たちは、国家の将来に不可欠となる一般的な情報テクノロジの課題を見極めると同時に、研究活動に対する連邦政府の投資に関する当委員会の推奨案のフレームワークが確立されることになる。
展望:今や世界中の10億人もの人々がインターネットへ同時にアクセスできるようになり、リアルタイムで電子会議を開いたり、毎日のニュースをダウンロードしたり、金融取引を実施したり、世界各地の友人や親戚と話をしたりできるようになっている。このようなコミュニケーションは、仮に参加する人の話す言語が異なっていても、各言語の翻訳が同時に行われるため、円滑に進められるようになる。また、使用する装置はさまざまな方式の入出力に対応できるため、物理的な制限からも解放される。
インターネットは、コミュニケーション革命をもたらす中核的なテクノロジであるが、現在のインターネットには最新の電話通信システムの水準と同様の信頼性を保証するために、用途や要求の拡大にも柔軟に対応できる高度なスケーラビリティが要求されるようになる。コンピュータと人間の間で最先端の形式でやり取りできる手法を開発することにより、私たちのコミュニケーションを豊かで、しかも容易なものにする必要がある。また、私たちは複雑な超大規模システムの動作を理解し、無数のソフトウェア・ソフトウェアどうしが自立的にやり取りを行うときの脆弱さという潜在的な問題にも対応しなければならない。グローバル・ネットワーキングという考え方は、一連の国際問題を引き起こした原因にもなったことに加え、情報が国境を越えて透過に流れ、多国籍企業がワールドワイド・ネットワークを利用して、グローバルな利益を追求するようになった傾向に疑問を投げかけるきっかけにもなった。このうち最も大きな課題は、やり取りの人間が1対1の形式、あるいはグループ形式のいずれについても、いかにして最新の電子コミュニケーションを有効利用していくかにある。
展望:最近では、単にマウスをクリックしたり、コンピュータの画面に触れたり、コンピュータに向かって話しかけたり、あるいは目のまばたきだけで、使われている言語を問わず、個人ベースで本、雑誌、新聞、ビデオ、データ項目、参考用の資料にアクセスしたり、問い合わせを行ったり、印刷したりできるようになっている。またデータ、テキスト、画像、オーディオなど各種のプレゼンテーション・モードを容易に選択できるようになっている。情報の参照に加え、さまざまな形式で関連情報を統合することにより、ネットワーク/ソフトウェア対応のツールを介して付加価値や優れた着想を与えることができる。娯楽の形態もしだいに多様化し、個人化しているため、個人個人がそれぞれ音楽、ビデオ、ライブ・イベントなどを自分の趣向に合わせて楽しむようになっている。
こうした変化を支えるために、個人が特定の方法で情報を検索、提示、統合、変化するための高性能ファイル・システムやツールも含め、データ・アクセス方法を大幅に改善する必要がある。システムでは、物理的な能力、教育、文化などの差を問わず、専門家、初心者、一時的ユーザーを含め、誰もがアクセスできるようなインタフェースが不可欠になる。音声、タッチ、ジェスチャなどに基づく認識と合成を含め、マルチモードに対応したヒューマン/コンピュータ・インタフェース・テクノロジが求められるようになっている。ネットワークの信頼性と帯域幅をはじめ、スケーラブルなソフトウェア・サポート、データベース構造、検索アルゴリズム、ハイパフォーマンス・コンピューティング、耐久性/信頼性/安全性に優れた配布方法、また重要な情報を保護する方法に至るまで多岐にわたる研究が必要とされている。インターネットを介して、高品質の娯楽プログラムを提供するには、高度な帯域幅をはじめ、オーディオ/ビデオ・ストリームの改善、優秀な制作者を支援する優れたツールも必要になる。また著作権、知的財産権、および実用的なビジネス・モデルの開発も含め、電子媒体による情報配布に伴うさまざまな問題も、今後検討すべき重要な研究課題となる。
展望:今では、地理的な距離、年齢、物理的な制限、個人的のスケジュールなどとは無関係に、オンラインの教育プログラムに参加できるようになっている。豊富な教材に誰でもアクセスできるため、過去の教材を復習したり、新しい技能を身に付けたり、さまざまな学習方法の中から選択したりして、個人の必要に応じて最適の方法を発見できる。また個人のニーズに応じて教育プログラムをカスタマイズすれば、誰にでも情報革命の波が行き渡ると同時に、デジタル・ライブラリによって、蓄積した知識リソースを管理するための機構が提供されるようになる。教育とは本来、より効果的な教材を使って、人間の五感を総動員して行うべきものである。
教育分野における情報テクノロジはすでに、私たちの教育、学習、研究の形態に変化をもたらしているが、同時に重要な研究課題も残されている。情報インフラストラクチャに必要なスケーラビリティと信頼性の基準に対応するための研究に加え、教材を迅速にかつ容易に開発したり、更新や保守といった作業を支援したりできるようなソフトウェア・テクノロジの強化が必要になる。効果的な教育/学習の実現を支援するコンピューティング/コミュニケーション・テクノロジの最適利用、特に学習意欲を高める豊富な内容を含むマルチメディアの効果的な利用については、私たちはそれほど深い知識を持っていない。テクノロジによって学習のどの側面が促進され、どのような側面で従来の教室における社会的な相互作用のある学習が必要とされるのかを、よく見極める必要がある。また、最新のテクノロジが持つ力と限界について市民にいかに認識させるか、さらに、個人的な生活や仕事の面でこうしたテクノロジをいかに効果的に利用すべきかもよく理解する必要がある。
展望:遠隔医療向けのアプリケーションが一般的になりつつある。医療の専門家は、ビデオ会議や遠隔感知といった手法を用いて、数百マイルも離れた遠隔地にいる患者を相手に問診や診断を行うことができる。またインターネット・ベースのビデオを使用したコンピュータ支援手術によって、外科医療を実施することもできる。強力なハイエンドのシステムがあれば、膨大な医学情報を高度に分析することにより、専門家のアドバイスを提供できるようになる。一方、患者側は新しいモデルに基づいて担当医と相談したり、医学関連の電子ライブラリやインターネットを使って生物医学情報にアクセスしたりできる。新しい形態のコミュニケーション/監視テクノロジにより、患者は自宅にいながらにして、治療を受けられるようになる。
今後は、医学関連の情報を電子的に記録したり、医療関連システム・イントラネットを実現したりすることにより、コミュニケーションやデータ共有を支援し、遠隔医療を直接的に提供できるように、信頼できる国家規模のインフラストラクチャを強化する必要がある。プライバシ情報や知識レポジトリも、重要な研究課題である。また、単に効率的な遠隔治療用アプリケーションを実現する方法を認識するだけでなく、患者と医師の人間的な要求を満たす上でも、ユーザー・インタフェースに関する研究が必要になる。さらに、遠隔治療などの応用医学を支援する信頼性に優れた低レイテンシのコミュニケーションがもたらすロボティクスやリモート・ビジュアリゼーションも不可欠となる。
展望:今、顧客が、取引の場所を問わず、あらゆる企業へ容易にアクセスできるようになっている。顧客からの反応も即座に得られるため、そのフィードバックに応じてマーケティング戦略、価格、製品在庫を調整することができる。顧客はホテルの部屋からでも、自宅からでも、会社からでも場所を問わず、必要な製品やサービスを価格に応じて購入することができる。電子媒体を介してプライバシを守りながら安全に購入することができるため、供給業者や小売業者は個人の財務管理を通じて、支払いや購入の自動明細を確認しながら、販売で得られた現金や顧客にも即座にアクセスできるようになる。
電子コミュニケーションによって、企業どうしで行う商取引のあり方、デジタル・ベースの商品/サービスの配布方法、小売販売の形態などがすでに劇的な変化を遂げるようになっている。企業では情報テクノロジを利用して、顧客や供給業者にも近づくことができる。テクノロジは、調達プロセスの合理化を図ったり、企業どうしが効率的に相手の供給業者を探したりできる結果、紙ベースの書類の軽減や購入コストの低減といった面にも貢献する。顧客が心から安心できるような電子商取引を実現するには、プライバシやセキュリティといった面でも重要な研究課題が残っている。米国の企業にとって、コミュニケーション・ネットワーク、コンピュータ、ビジネス・アプリケーションの信頼性が成否を決める重要な要素となる。市場のグローバル化が進むに従って、国際取引の関係という視点から電子商取引を捉えることがしだいに重要になってくる。
展望:従業員は、さまざまな場所から、あるいは移動中に自分の作業や同僚に容易にアクセスできるようになるため、仕事場という概念はもはや、特定の場所には限定されなくなってくる。また、必ずしも大都市近郊にいなくても、自分の業務を処理できるようになる。市場の機会という面からではなく、家族との距離や生活パターンなどを優先して、仕事場を選ぶことができる。また柔軟性のある作業空間によって、仕事を持つ親、体の不自由な労働者など個人のニーズに合わせた労働が可能になる。
ある予測では、今後10年の間に、1,500万ものアメリカ国民がテレコミューティングを取り入れるようになる結果、生産性の向上、組織的な柔軟性の強化、環境上の利点などが実現されると言われている。ホーム・ビジネスという労働形態も含め、従来とは異なるオフィス環境で多数の従業員をサポートするには、物理的な場所や身体の不自由さには関係なく、あらゆる従業員に均等に、高速のネットワーク機能を提供する必要がある。作業チームが協調して効果的に業務を進められるようなソフトウェア・テクノロジが必要になる。同時に、相互の協調作業を支援する情報インフラストラクチャのプライバシと信頼性もきわめて重要な要因となる。テレコミューティングがもたらす社会的/経済的な意味についても、検証する必要がある。コンピューティングとコミュニケーションの統合によって、私たちが仕事を行う上で必要となるスキル・ベースに劇的な変化がもたらされることになる。今後は、雇用者、従業員、自営業者などがいかにこうした変化に対応していくかを慎重に検討することが重要になる。
展望:自動車や建築物などの複雑な設計から、日用品やファッションといった日常的な品物に至るまであらゆる製品や構造が、作成するシステムの物理的な特性を正確に表せるコンピュータ・シミュレーションによって、容易に設計できるようになる。設計、製造、製作、部品供給、エンドユーザーなどの各関係者が設計プロセスに参加することにより、相互のフィードバックが即座に得られるようになる。また多様な設計/製造プロセスを効率的に取り入れて、安全性と品質に優れた低コストの製品を作成できるようになる。
地球規模の競争が続いている結果、今、米国内の製造業者は、生産性の向上、コストの削減、品質改善、柔軟性の維持、サイクル・タイムの短縮といった方法によって、新規の顧客を引き付けるとともに、既存客の維持に努めている。情報テクノロジはこれまで、全体的な製品の開発/設計サイクルに革命をもたらしてきた。この傾向は今後も続くものと思われる。概念設計、シミュレーション、双方向のコントロール、計算処理、アーカイブ・データのマイニング、表示/分析用のデータ・レンダリングなどに対応できるハイエンド・コンピューティングのテクノロジが不可欠となる。またプランニング、購入、スケジューリング、投資、コスト管理などのビジネス・プロセスと設計/開発プロセスをリンクさせる必要もある。その他、顧客のニーズに対応するために標準的な製品の同時修正をサポートするためのネットワーク・コンピュータも重要な要素となる。今、コンピュータの低価格が進む中、こうした設計/エンジニアリング/製造プログラムが持つ能力を、さまざまな製品も応用できるようになっている。
展望:科学者やエンジニアが物理的な場所を意識せずに、日常的な作業を実施したり、同僚との連絡、計測器へのアクセス、データ/計算資源の共有、デジタル・ライブラリ情報へのアクセスなどをサポートする仮想研究所に関する検討が進められている。科学技術関連の資料はすべてオンラインで提供されるため、読者は必要な方程式やデータベースをダウンロードしたり、変数を操作したりできるようになる。この結果、ユーザーは公開された研究結果を対話形式で検索できる。
高速のコンピュータとネットワークによって、人間の脳のマッピングや環境の気象変化のモデリングなど、多岐にわたる科学技術情報がサポートされるようになる。研究課題はしだいに複雑化し、学際的な色彩を帯びるようになっている。この結果、地球上の研究者どうしが相互に協調できる画期的な手法を見い出すようになっている。主な研究課題として、複雑な物理現象を忠実に再現したモデルをサポートするハイエンド・コンピューティング、協調環境の発展、複雑なデータベースのビジュアリゼーション、大規模なデータセット、データ・マイニングの手法、データベースの管理といった分野が挙げられる。
展望:情報テクノロジによって、私たちは水や空気といった自然環境を有害な物質から守ることもできるようになる。たとえば信頼性のある気象モデルが実現されれば、天候の変化の速度や地域別の配置などを特定できるため、具体的な区域や地域ごとに正確な予報が可能になる。高度な気象モデルにより、気温、貯水量、大気の配置などの変化に対する生態系の反応を正確に予測できるようになる。完全統合されたモデルに基づいて、科学者や政策決定者は気候の変化に適応したり、その影響を抑えたりするときに、技術的に実現可能な手法やコスト効果の高いオプションを選定する際に、天候の傾向、人口統計の傾向、資源の有効利用、自然資源や経済資源の価値などを考慮できるようになる。
米国は、国の内外を問わずエネルギーや環境問題に関する方針を支える上で、特定地域に向けた正確な予報を実現すべく、これまでにも増して気象モデルに関する研究を拡充していかなければならない。この分野での発展は、コンピューティング技術の進化に大きく依存する。これには、時間と空間という制限を越えた範囲での転送に対応できるように、従来の水準の数桁分にも相当するレベルでコンピューティング能力を改善しなければならない。また、数値演算の手法、アルゴリズム、データ・ストレージ用のツール、管理、解析、ビジュアリゼーション、ソフトウェアの開発/テスト手法、分散コンピューティングに向けた高度なネットワークといった分野でも画期的な情報テクノロジが不可欠になる。
展望:地理的な条件、コンピュータ・リテラシのレベル、物理的な能力などを問わず、行政のサービスや情報はあらゆる市民に容易に提供されるようになる。インテリジェント・システムによって、必要な情報を収集する場合にも、ワンストップ・ショップの経験が生かされるようになる。文書や書類にも、電子的にアクセスし、記入、提出できるようになる。ビジネス・プロセスの自動化によって、市民の要求にも即座に対応することができる。また自然災害が発生したときは、緊急対策チームの隊員が3次元のビルディング・モデルに即座にアクセスして、リスクの分析、査定、高解像度の地域別天気予報、破壊された建築物の応力分析、即時非難用プランニング・ツール、緊急対策本部の調整などの作業を行うことができる。
情報テクノロジを通じて、行政機関の業務効率や作業の応答性を飛躍的に改善できる余地がある。技術的な課題として、高性能のファイル・システム、情報の検索/表示に使用するツールなどを含め、データ・アクセスのためのシステムや手法の面で革新的な改善などが挙げられる。重要な情報を配布/保護するための信頼性と安全性に優れた強力なネットワークとソフトウェアの構築が重要な研究課題となる。また政府機関で実現した改善をあらゆる市民に還元することにより、アクセス上の障害を理解し、解決していくことも忘れてはならない。
| 変化の形態 | 課題 | 利点 |
| 1. コミュニケーション |
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| 2. 情報の処理 |
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| 3. 学習 |
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| 4. 商取引の実施 |
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| 5. 仕事 |
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| 6. 医療現場 |
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| 7. 設計/構築 |
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| 8. 研究の実施 |
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| 9. 環境との調和 |
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| 10. 政策の実施 |
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