総合的な研究の対象として、次の4つの側面を検討する必要がある。これは、今後の長期的な研究開発における戦略的な構想の中で中心的な要素となる。
ソフトウェア
ソフトウェアに対する要求は急速に高まっており、生産時に利用できる資源では賄いきれないという現状がある。この結果、現在生産されているソフトウェアの用途、信頼性、機能の点で現在の水準をはるかに上回るソフトウェアが必要とされている。今、私たちは動作の仕様がよく理解できないまま、場合によっては突然、異常な動作を示す大規模なソフトウェア・システムに、危険なまでに依存している。したがって、ソフトウェアの研究開発には、高い優先順位を置く必要がある。特に、膨大な量に及ぶ情報の管理、コンピュータの使いやすさの改善、ソフトウェアの作成/管理の簡素化、人間とコンピュータの対話操作の改善といった面に応用できるソフトウェアの開発について重点的に検討しなければならない。具体的に連邦政府プログラムでは、次の点を検討する必要がある。
スケーラブルな情報インフラストラクチャ
今日、インターネットへの依存度はますます高まる傾向にある。インターネットは確かに刺激に満ちた技術ではあるが、当初の設計者の意図をはるかに越えて成長している結果、さまざまな課題も生み出してきた。インターネットの規模、能力、複雑さが増すに伴い、信頼性と安全性に優れた大規模で複雑なシステムを構築/運用する方法について、さらに研究していく必要がある。この対策として連邦政府は、次の課題に対応する必要がある。
ハイエンド・コンピューティング
正確な気象/天気予報、高度な製造/設計の支援、新しい医薬品の開発、多岐の分野にわたる多様な研究開発の実施、重要な国家利益の支援のために、高度な処理能力とデータ転送機能を完備した超高速のコンピュータ・システムが不可欠となる。分野によっては相当な成果を上げている部分もあるが、現在のスケーラブル・パラレル・ハイエンド・コンピュータ・システムでは、国家戦略的に重要な課題には十分に対応できない。米国内の科学者が、最高レベルのコンピュータ・パワーにアクセスできるように、画期的なアーキテクチャはもとより、現在のシステムに見られる限界を克服できるようなハードウェア・テクノロジ、ソフトウェア戦略に向けた財政支援が不可欠となる。こうした領域に向けた支援を大幅に拡大しない限り、最新のマシンで達成できるパフォーマンスが、その潜在能力を決して陵駕することはない。当委員会では、連邦政府プログラムで次のような課題に対応することを特に推奨する。
社会/経済面での影響
情報テクノロジは、あらゆる国民や機関に対する情報の流れを飛躍的に改善するとともに、民主主義を強化するための重要な手段となる。国家的な利益は、今後も発展する情報テクノロジが潜在的に持っている社会/経済面での効果を、いかに深く認識するかに依存する。しかし、情報テクノロジ・ベースの変化が進む速度が増すに従って、さまざまな問題も表面化している。画期的なテクノロジがもたらす約束を実現するには、こうした問題の識別、認識、予期、そして対応に向けた研究開発への投資が不可欠になる。今後、情報テクノロジが私たちの生活に浸透する結果として生じる変化の程度を客観的に評価できる総合的な基準を確立しなければならない。また、具体的な目標と、変化の影響について慎重に検討し、こうした調査から得られる知識を効果的に生かしていくための適切な方策も不可欠の条件となる。連邦政府は、次の課題への対策を講じる必要がある。
連邦政府による情報テクノロジ研究の管理と実現
21世紀における国家のニーズに対応した連邦政府の情報テクノロジ研究プログラムを構築するには、従来にない新しい管理形態と研究支援の形態および実現に向けた戦略が必要になる。連邦政府の緊縮予算という現実、多岐の部門で形成したチームによる長期的な研究、また小規模で効率的、かつ調整された調査管理プロセスを維持する必要性などから、従来にない新しいアプローチが不可欠とされている。また、基礎研究と応用研究の間のバランスをうまく配分すると同時に、ハイリスクの長期的な共同研究プロジェクトを支援しながら、連邦政府の当該機関と民間部門を関与させることによって、体系立った検証を図れるように、全体的な情報テクノロジの研究予算を再検証する新しい情報テクノロジ・プログラムを管理・実現する必要がある。
こうした目標の達成に向けて、当委員会では現在、連邦政府が実施している情報テクノロジ関連の管理と実現の機構を次のように強化することを推奨する。