米国の政府支援研究開発プロジェクトによって作り出されたソフトウエアは、プロトコルやソフトウエアのサブコンポーネント等の分野に多大な貢献をしている。その多くが商業用のエンドユーザー向けアプリケーションで重要な役割を果たしている。また、政府支援研究開発プロジェクトは人材を育成し、それらの優秀な人材が民間へ移動することによっても大きな貢献を果たしている。
政府支援研究は、PC用OS、PC用のオフィス生産性向上アプリケーション、データベース、暗号ソフト、企業内ネットワーク等の分野に直接関わってきている。もっとも、それらの分野は政府支援研究全体の中では、わずかな部分を占めているに過ぎない。というのも政府支援研究の中核を成すような研究(例えば、気象シミュレーション、天体軌道シミュレーション、素粒子シミュレーションといった分野)は民間向けの大規模市場とはなりえない。それでも民間市場での応用に成功している分野としては、冒頭にも挙げた、アルゴリズム、サブルーチン、サブコンポーネント、プログラミング言語等のソフトウエアの基本的構成要素で、市場でのニッチを開拓し得た分野である(図表4)。
図表4: 産業界で応用されている政府支援研究開発の技術分野

いうまでもなく、政府支援研究開発プロジェクトの成果は、その多くがハイパフォーマンスコンピューティングや学術分野でのアプリケーションとして利用されている(図表5)。(やはりこちらがメイン。)
図表5に示されたものは学術用に使用されている数百を越えるソフトウエアのごく一部である。こうしたソフトウエアの多くは、過去の研究活動の過程で開発されたものであったり、全く別の分野の研究の副産物であったりする。こうして生まれたソフトウエアのコピーライトは、原則としてその生成時は大学に保有されるが(財政支援の大半は政府からのもの)、その後しばしば企業(多くの場合ソフトを開発した研究者)へ譲渡され、見返りとして大学は内部でそのソフトを自由に利用し複製配布する権利を得る。
図表5: ハイパフォーマンスコンピューティング、学術分野でのアプリケーション
| Astronomy, Astrophysics and Cosmology | AIPS++, AIPSview, COSMICS, CACTUS, KRONOS, MIRIAD, TITAN, ZEUS-2D, ZEUS-3D |
| Chemical Engineering | ASCEND IV, Aspen Plus, Aspen Dynamics/Custom Modeler, gPROMS, SpeedUp |
| Computational Chemistry | ADF, AMBER, CADPAC, CASTEP, CERIUS2, CHARMM (Harvard), CHARMm (MSI), CRYSTAL 95, DISCOVER, DMOL3, FAST STRUCTURE, GAMESS, GAUSSIAN94, GAUSSIAN 98, Insight II, Jaguar, MacroModel, MOLCAS, MOLPRO, NWCHEM, Q-Chem, UHBD |
| Computational Fluid Dynamics | FIDAP, CFX, FLUENT, FLUENT-UNS, Nekton, RAMPANT, STAR-CD, STAR-HPC |
| Database Visualization | AVS Express, SGI MineSet, Visible Decisions Discovery |
| Knowledge Discovery | Clementine, DB Intellect |
| Mathematics / Statistics | AXIOM, BLACS, BLAS, Complib, DAGH, FFT library, FFTW, IMSL Fortran library, LAPACK, MATLAB, Mathematica, NAG Mark 17, SMP, PARPACK, PETSc, PINEAPL, PLAPACK, SAS, ScaLAPACK, SCSL, S-PLUS, SPRNG |
| Structural / Solid Dynamics | ABAQUS, ANSYS, LS-DYNA3D 936, LS-INGRID, LS-NIKE3D, LS-TAURUS, MSC-NASTRAN 69, PDE2D, Spectrum |
| Visualization and Graphics | AVS, EnSight, FieldView, IDL, NCAR Graphics, TecPlot |
総じて、連邦政府が支援する研究開発活動はその多くが市場での製品化からははるかに遠い基礎技術の分野で行なわれるものであり、商業用ソフトウエア市場の勃興といった尺度は、政府支援研究開発プロジェクトの成果を評価する上で、極めて限定された役割を持つのみである。1999年度連邦政府の研究開発支出総額の内、約54%が「開発」(より商業化に近い)であるが、残りは商業的利益には直結しない「基礎及び応用研究」である。さらに、近年の傾向として、基礎・応用研究が強化されている(1997年度実績と1999年度計画を比較すると、開発分野は0.5%減、応用分野は13%増、基礎分野も14%増となっている)。政府支援・調達の総額を見ると(1996年度はおよそ$198B)、研究開発(国研、委託合計)は16%を占めるのみであり、ソフトウエアに関してもその大部分がCOTS(既製市販品)として調達されていることがわかる。
以上のことから、政府支援ソフトウエア研究開発プロジェクトに関しても、その評価は産業界への直接の貢献だけではなく、米国の知的リソースの国際的優位や、学術論文の生産性、プロジェクトを通じて育成される人材、といった観点からなされる必要がある。
政府支援プロジェクトの成果が民間部門へ移転されるには様々なメカニズムがあるが、それらのほとんどは1980年以降、技術移転を促進する法律の施行によって出来上がってきた(Bayh-Dole
Act, 1980, PL 96-517; Stevenson-Wydler Act, 1980, PL 96-480; the
Cooperative Research Act, 1984, PL 98-462; Federal Technology
Transfer Act, 1986, PL 99-502)。これらの法律は、1970年代までの政府の知的所有権設定(つまり何でも公開する)に一貫したルールが無く、全てが公開されてしまう場合は民間企業は政府技術の商業化に積極的ではなかった(排他的権利がないと競争力に結びつかない)。B−D法、S−W法については1998年度報告書付属資料3の第3章「GOCOシステムと技術移転」(付3-16)に説明されている。要約すれば、「Title
in the Government Policy」から「Title in Partners Policy」への転換によって、政府支援プロジェクトの成果に関し、民間Contractors(営利・非営利に関わらず)に知的財産権を認め、民間の手による商業化に委ねる、という政策である。
しかしながら、いわばこうした「Official」な技術移転は、ソフトウエアの分野では必ずしも大きなインパクトを実業界に与えているとはいいがたい。というのも、この分野においては、政府支援研究開発プロジェクトで育成された「ヒト」が民間部門へ還流することによって、間接的に技術が市場へ移転され、大きな発展を遂げているからである。
政府支援研究開発プロジェクトの市場に対する大きなインパクトのひとつは、それらプロジェクトが最先端のソフトウエア技術者を養成する場となっていることである。多くの技術者が大学等で政府支援プロジェクトに参画し、その後最先端のソフトウエア企業へ入って研究開発に従事している。すなわち、大学やその他の民間Contractorsで行なわれる政府支援ソフトウエアプロジェクトの多くは、直接市場での商業化に結びつかないかもしれないが、実はそうした知的資産は「人の移動」というかたちをとって間接的に民間へ移転されているのである。下記はその代表例である。
図表6 ヒトの移動を介した知的資産の移転が市場で成功した例
| <Well-known examples of IP transferred
to the private sector through individuals> Web browsers Perhaps the most well-known example - the Mosaic technology was taken in the head of Marc Andreeson and his team to Netscape, where they rewrote the actual code from scratch Search engines Inktomi was the first application for a federally-funded workstation cluster built at UC Berkeley, written by Eric Brewer and Paul Gauthier; David Filo and Jerry Yang developed their first Yahoo catalog and search utilities on Stanford time using Stanford computers (although not working on Stanford projects!); Erik Selberg and Oren Etzioni developed MetaCrawler together at the University of Washington. Data analysis and prediction HNC was founded in 1986 to develop ヤpredictive software solutionsユ for military applications, and until 1990 operated exclusively using DARPA funds. Ray Tomlinson wrote the worldユs first email program while working on BBNユs infrastructure project for DARPA |
Mozaic、Spyglass、Netscapeの開発・市場への導入の経過をたどることによって、知的財産権のメカニズムと「ヒトの移動」が相互に作用し合って、政府支援プロジェクトの技術が市場へ移転され、成功を収めていく様子がよく分かる(次ページ図表7)。
図表7: Mozaic・Spyglass・Netscapeストーリー

政府支援ソフトウエア研究開発プロジェクトで、現在進行中のものの中に、今後市場で大きなインパクトを持つ可能性があるものの例は以下の2つである。
図表8: 今後市場にインパクトを与える可能性がある政府支援ソフトウエアプロジェクト

前章までの分析を通じ、米国での政府支援ソフト研究開発における知的財産権の考え方、これまでの経緯と現状、産業界へのインパクトを明らかにしてきた。これはこれとして、日本として大いに参考となる内容を含んでいる。しかしながら、現在米国ではさらに新たな議論が進展しつつある。それは政府支援ソフトウエア研究開発の今後の進め方に重要な影響を与えると考えられる。それらの議論とは、ソフトウエアをパテント化することが産業界に与える悪影響と、オープンソースというソフトウエア開発方式が現在の知的財産権システムに投げかける問題である。両者は密接に関連する議論であるが、まずはそれらの内容を個別に検討し、次に総合的に分析を加える。
すでに第2章において、産業界では、ソフトウェアのIPが侵害され、保護する必要が生じた場合、ソースコードに関しては88%の企業が、またオブジェクトコードに関しては65%の企業がコピーライトを活用するとしており、パテントを活用したIP保護を行う企業はソースコード・オブジェクトコードともわずか2%にすぎない、という点を指摘した。もっとも、ソフトウエアの機能を詳細に見ていくと、モジュールデザインや、アルゴリズム、ユーザーインターフェイスシークエンスにおいては各々1割程度のソフトがパテント化されていることがわかる。さらに、ソフトウエアのパテント化は、1981年の最高裁判決、1989年のUSPTOの見解と、そのpatentabilityがますます強く認知される状況下で、徐々に増加の傾向を示している(図表9)。
また、1997年に交付されたソフトウエアのパテントは11,500件にのぼり、 2000年には8万件のソフトウエアパテントが有効となっている、という見方もある(Seth
Shulman 1999、Owning the Future)。
こうのようにソフトウエアのパテント化が拡大していく中で、その是非をめぐる論争が巻き起こっている。既存のパテント保有者はその擁護を主張しているが注3、産業界やプログラマーを中心に、ソフトウエアのパテント化に懸念を表明する声が大勢を占めている注4。パテント化への懸念は以下の5つのポイントに集約される。
図表9 増加傾向にあるソフトウエアのパテント申請と発行数

| * Total patents in classes 364 and 395, to which
software patents belong. Note that some non-software patents
are also included in these figures, although the percentage is
not clear Source: Software Patent Institute |
図表10 産業界にとってソフトウエアパテントがコストとなる例
|
こうしたソフトウエアのパテント化がもたらす弊害・コストを理由に、産業界は、ソフトウエアパテントの増加は本来技術革新に費やすべき資源の浪費を招いており、パテント制度本来の狙いである技術の発展という観点からも本末転倒である、と不満を表明している。一部の法理論家も、現在の知的財産権システム(コピーライトとパテントを峻別)は、コピーライトとパテントの双方で保護が可能であるソフトウエアという知的財産には不適当であるばかりか、元来ソフトウエアは、パテント法において万人に利用可能であるべきだとされる「fundamental
concepts (基本的概念)」に限りなく近い、と指摘している。一方で、政府の開放的な知的財産政策(2−C−2参照)は、外国企業のただ乗りによる技術取得を許し、国家の国際的競争力という点から望ましくない、とする見方もある。
現在のパテントシステムをめぐる各界の発言には以下のようなものがある。
「次世紀のビジネス競争に対応した新たな知的財産保護のフレームワークが是非とも必要である。」(National Center
for Manufacturing Sciences, 1994)
「現在の米国は、知的財産権法の危機というべき事態に急速に突入している。」(Pam Samuelson, Intellectual
Property Law Professor, UC Berkeley, 1998)
「パテントシステムが現状のままであるとするならば、それはゆゆしい問題だ。」(Linus Torvalds, Linuxの発明者、1999)
「概念の世界は、本来競争に基づく市場取引にはなじまない。アイデアや概念は全ての者に開放されるべきである。」(Seth Shulman,
the author of Owning the Future, 1999)
次に述べるオープンソースのムーブメントも、新しい知的財産の所有と分配のあり方を提起しており、その影響は既存のシステムを揺るがす可能性を持っている。
ソースコードを無償公開するソフトウエア開発方式として現在脚光を浴びるオープンソースだが、さかのぼっては1969年にUNIXがBell研で開発された際、当時のAT&Tが政府所有による独占企業体であったため、ソースコードがほぼ無償に近い形で公開されたのがその端緒であった。ソースコードが公開されたUNIXはその後U.C.BerkeleyにおいてBSD
UNIXを生み出し、現代のコンピューティングの世界に大きな影響を与えたことは周知の通りである。1984年には、Richard
StallmanがUNIXと互換性のあるGNUをfree softwareとして公開した。その後LinuxがGNUの心臓部として1991年にLinus
Torvaldsによって開発され、そのソースコードが公開されることによって数千人といわれる世界中のプログラマーがボランティアでその開発にたずさわっている。1998年には、NetscapeがCommunicatorのソースコードを公開してオープンソース型開発方式を採用し、1999年にかけてLinuxがWindowsNTの牙城を突き崩す市場シェアを獲得し始めるや否や、オープンソースが再び急速に注目を集める事となった。本年3月には、数少ない企業ベースのオープンソースとして、日本のリコーがWebベースの文書処理システムのプラットフォーム、PIAのソースコードを無償公開し、開発プロジェクトをスタートさせた。以上の動きをまとめたものが次ページの図表11である。
オープンソースは、ソフトウエア産業の一部が、ソフトウエアそのものを売買するビジネスから、ソフトを取り巻くサービス主体のビジネスへとシフトしていることの証左であり、またその原動力ともなっている。すなわちオープンソースの場合、ソフトウエアそのものは無償公開されているわけであるが、ソフトウエアのアップグレードやサポートといったサービスによって収益をあげるモデルである。この「サービス化」の傾向は、いわゆるクローズドなシステムによって開発されたソフトに関しても強くなっている。オラクルは2000年には全体の50%の売上が「サービス」ビジネスから得られると予測しており、マイクロソフトは、自社のソフトを貸与し、月額料金を徴収してアップグレードのサービスを行なうビジネスを検討中である。
図表11 オープンソースの歩み

こうしたサービス型ソフトウエアビジネスを技術的に支えているのが、スピーディーな大容量のダウンロードを可能とするネットワーク帯域幅の向上である。今後帯域幅が益々増強されるにつれ、数多くのビジネスが最初に料金を払いきる型からネットワークを介してサービスを受けるたびに料金を支払う方式へと転換していく可能性がある。(例:ボイスメール、留守電、PBX、オーディオCDプレーヤー、ビデオプレーヤー、ファイル保管、ファイルバックアップシステム、オフィスアプリケーションソフト —Corel
はレンタル方式、Pay-per-use方式を検討中—)
オープンソースにおいては、既存の知的財産権は真っ向から否定される。Richard Stallman によるOpen Source
Foundationは、「情報は万人によって無償で共有されるべきだ」という理念の下で、ソースコードやソフトウエアがコピーライトやパテントといった知的財産権保護の仕組みに囲い込まれ、自由にアクセスできなくなること防ぐため、GPL(General
Public License)、または「Copyleft」と呼ばれるライセンシングの仕組み提唱している。すなわち、コピーレフトによって「保護された」ソフトウエアは、企業や個人の手を経て改良改変されていったとしても、元のソフトウエアに保証された「ユーザーが無償でアクセス・改変する自由」がどこまでいっても確保されるのである。
この原則が実際のビジネスに適用された場合、こうなる。企業はコピーレフト「保護された」ソフトを販売することは自由である。しかしそれが顧客に売れるのは、その顧客が無償で入手可能ということを知らない場合だけである。また企業は、そのソフトウエアに付加機能をアドオンして販売することも自由である。既に小規模ながら、数社がそのビジネスに成功している。すなわち、企業はコピーレフトのソフトを改良修正することは自由であるが、その成果に排他的知的財産権を設定することは一切できないのである。ここが
Public Domainにあるソフトとは決定的に異なる部分である。Public Domainにあるソフトも、万人が無償でアクセス可能な点でオープンソースと同じであるが、企業や個人がそのソフトを改良修正してしまえば、その成果に知的財産権の設定が可能となってしまうのである。
こうしてソフトウエアビジネスに関わる企業は、ある選択を迫られる。自社開発の自社占有のソフトウエアを販売するか、公開ソフトの上に独自のサービスをアドオンして付加価値を出すか、である。もしも二つのビジネスモデルが両方とも現実に成立するとしたならば、後者のオープンモデルのほうが優れているといえる。その意味は、オープンソースに基づくソフト開発が人間の「知」への貢献がより大きく、結果的によりすぐれたソフトウエアが出来上がる可能性があるからである。
以上、本章では、現状の知的財産権システムそのものが抱える問題(ソフトウエアのパテント化)と、既存のシステムを置換するドラスティックな代替案(オープンソース)を見てきた。これらのムーブメントは、「知」や「情報」がますます重要な資源として認識される現代の経済・社会システムの下で、それらのintangibleな(無形の)資産が、自由市場原理・自由競争の下でどのように取り扱われるべきか、どのような利益を優先して保護すべきなのか、というより基本的問題を投げかけている。
現在の米国政府を取り巻く状況を簡潔に表現すれば、次のようになる。政府支出によって生まれる知的資産は原則公開(Public
Domainでオープン化)となっているが、政府の支出で民間Contractorsが生み出した知的資産については、その商業化が可能な程度にはクローズド(排他的)な知的財産権が与えられている。いわば、既存の知的所有権システムを前提として、官は民の市場競争意欲をそがないようにしつつ、公共の利益も守ろうとしている、ということである。さらに、民間の資金により民間の手で開発された全てのソフトウエアには知的財産権法の下でコピーライトが認められ、次第により排他的なパテント化が進行中である。歴史的に見れば、元来原則公開によるオープン政策が、時代の要請によって80年代初頭以降徐々にクローズド(排他的所有権)の方向への流れを強めてきている中、現在のオープンソースの盛り上がりを受けて再びオープン化の方向性が勢いを増しつつある、という状況であろうか。
米国政府が今後取り得る知的財産権の戦略のシナリオは上記の現状維持のほかに大きく2つの方向性がある。
第1は、米国の国家としての国際競争力を維持するため、政府は自身の支出による研究開発の成果である知的財産を一旦政府内に保持し、その後開示する条件とタイミングを決定すると言う意味でのクローズドなシステムを強化するシナリオである。海外への知的資産の流出を防ぐという意味もあり、保護主義的である。政府の民間Contractorsに付与された知的財産権に特別な保護を加えることも考えられる。
第2のシナリオは、現状の知的財産権システムを大幅に変更して、現状の原則公開とは多少異なる考え方でオープン化を推進する新しい選択肢である。政府プロジェクトそのものをオープンソース的考え方で進め、ソフトウエアに対する既存の知的財産権を否定して、ソースコードを自由にアクセス可能とする、ということになる。
第6章の結論部分では特に可能性の高いシナリオについて考察する。
注3 一例としてはPaul Heckel。元PARC研究員。個人で、カーソル等に関連する特許を保持し、IBMやAppleと特許係争中。Intellectual
Property Creatorsという組織を主催してソフトウエアパテント擁護の論陣を張っている。代表的論文はhttp://www.heckel.org/Heckel/ACM%20Paper/acmpaper.htm
注4 例えば、MITを中心としたLeague for Programming Freedomという団体。Richard Stallman によるFree
Software Foundation (オープンソースの開発方式であるGNU General Public Licenseを主催)とも協力関係にある。代表的論文は“Against
Software Patents" (http://osnome.che.wisc.edu/~epperly/patents.html)