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| 4.3 今後の推進方向 以上のことから、アプリケーション側でのソフトウェア開発が今後飛躍的に増加するものと予想され、しかも、それらには共通的な要素も多いことから、今後は、情報技術開発を効率的、効果的に進める必要がある。このことは、開発業務を担うソフトウェア産業の振興、さらにはソフトウェア産業を通した経済振興、地域活性化という観点からも意義が大きい。そのため今後は、次のような方向で情報技術の研究開発を進める必要があると考えられる。 (1)予算制度の中での情報技術の位置づけの明確化 これまでの各省庁の予算策定の段階において、情報技術、特にソフトウェア開発や新技術開発に関しては、評価が曖昧であり、予算獲得のためには建物整備や基盤整備などのハード整備に抱き合わせて、予算編成が行われることが多かった。 今回の調査においても、予算情報からそのプロジェクトの内容、そこでの情報技術関連研究開発の有無を調べていく手法をとったが、情報技術研究開発がハード面での整備費用に埋もれてしまい、分離・分類が明確にできないプロジェクトも多く見られた。 今後、情報技術における研究開発の重要性が増す中では、予算編成の段階においても、情報技術関連研究開発を明確に位置づけ、その内容、到達目標等を明示することが必要である。予算編成段階での情報技術の位置づけ明確化のためには、各省庁におけるプロジェクト運営面においても、情報技術の重要性を認識することが必要となる。 そして何よりも、十分な研究開発成果が期待し得る十億円規模あるいはそれ以上の予算額を割り当てていくことが必要である。 (2) アプリケーション・ニーズ側主導のプロジェクト運営の推進 ITS(高度道路交通システム)、電子図書館など省庁間にも連携の機運は高まってきている。情報技術開発には、アプリケーション・ユーザ側のニーズと技術シーズ側の適切なマッチングが不可欠であり、こうした連携の機運をさらに高め、密接なプロジェクト立案、運営が必要である。このため、技術シーズ側では、ユーザ・ニーズをよく理解し、共通的な技術を応用展開したり、先進的な技術開発に挑戦していくことが必要である。一方、アプリケーション・ユーザ側でも、情報技術の重要性を認識し、技術シーズをどのように組み合わせていくと当初のニーズを満たすことができるかについて知見を持つことが必要となる。 一例を挙げれば、製鉄会社では、製造工程で用いるホストコンピュータをリプレースする場合、従来と異なるメーカの機種を導入したとしても、生産活動を中断することなくリプレースを行っていると言われる。これは、コンピュータ・ユーザである製鉄会社がコンピュータの活用と運用をメーカに任せきりにせず、自らが情報技術を熟知し、的確に技術シーズを組み合わせ、使いこなしていることによるものである。 このように、情報技術の発展・実用化のためには、アプリケーション中心の省庁が中心となってプロジェクトを運営していくことが必要となる。 また、新しい高度情報技術を積極的に試用、実用化することも重要であり、アプリケーション中心の実用化を担う省庁であっても、新しい高度情報技術に積極的に取り組む姿勢や意識が必要である。 (3)省庁横断的機能のより一層の整備・充実 情報技術開発関連プロジェクトは、それぞれ独立に研究開発に取り組み、評価まで自己完結しているため、省内外を問わず、他の研究開発プロジェクトとの連携が希薄になっている。研究開発の企画段階において、シーズの開発からアプリケーションへの具体化までのグランドデザインが描かれていないことが多い。 しかし、情報技術分野では、基礎研究でも応用研究でも、どこからでも新しいものが出てくる可能性が高く、他分野以上に他省庁との連携が必要である。従って、情報技術分野においてはより一層の省庁間連携が必要であり、密接なプロジェクト立案、企画、運営、評価が必要である。 そのためには、それぞれの情報技術ごとにグランドデザインが描かれることが必要であり、省庁横断的なコーディネータやマッチング機能の整備・充実が必要であろう。合わせて、国として育成すべき情報技術とは何かについての検討も必要である。競争前の基礎的な技術、民間では取り組むことの困難な巨大技術など、技術政策に関してのいくつかの考え方、視点が有り得るので、社会的にも共通認識を形成していくことが重要である。
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