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(6)郵政省

 郵政省における情報技術関係予算は、通信関係のインフラ整備と研究開発に振り向けられている。直属の研究機関は通信総合研究所と郵政研究所の2つであり、情報技術関連の研究開発予算の配分先は、通信総合研究所への一点集中的である。郵政省には、民営化されたNTTがあり、そこで一般ユーザのニーズに沿った研究開発を推進しており、通信総合研究所での研究開発は、必ずしも一般ユーザ指向になっているわけではない。通信総合研究所の総予算約100億円のうち、人件費、経常事務費を除く研究開発関連費は約65%を占め、予算額の多いテーマとして情報通信基盤、宇宙開発関連、周波数資源開発等の順になっている。
 郵政省の情報技術関連動向の特徴としては、通信事業に対する規制緩和により、通信料低下へ誘導したり、情報通信基盤の整備を促進するなど、情報通信ユーザの拡大、情報通信関連事業の育成に対して間接的な支援を行っていることが挙げられる。

(7)省際プロジェクトとしてのITS(警察庁、通商産業省、運輸省、郵政省、建設省)

 SSVS(Super Smart Vehicle Systems;スーパー・スマート・ビークル・システム)は通産省、UTMS(Universal Traffic Management Systems;新交通管理システム)は警察庁、VICS(Vehicle Information and Communication System;道路交通情報通信システム)は、建設省と警察庁と郵政省、ARTS(Advanced Road Transportation Systems;次世代道路交通システム)は建設省、ASV(Advanced Safety Vehicle;先進安全自動車)は運輸省という分担があるが、これらを総括するものとしてITSが打ち出されている。縦割りという組織としての問題点は残るとしても、競争状態に置かれたというのは好ましい環境と考えられる。
 このITSプロジェクトは、各省庁が個別に取り組んでいたが、高度情報通信社会推進本部の決定により、トップダウン的に5省庁の連携で進められることになったものである。この背景には、米国では情報スーパーハイウェイ構想を契機となり、ITSが国家プロジェクトとして協力に進められてきたことがある。
 高度情報通信社会推進本部のトップダウン的な方向付けを具体的に実現していくのは、各省庁ごとのボトムアップ的な取り組みである。しかし、トップダウン的な技術目標が示されたわけではなく、研究、実験を通じて見直しを加えているという状況である。この5省庁の中でも最も予算額が大きいのは建設省であり、中心的な活動を行っているが、必ずしも他の省庁をリードするという立場でもない。今後は、全体の技術目標を明示しながら、その成果を1つの社会システムとして組み込んでいくことが期待される。
 このように、今日の情報技術関連研究開発を含むと思われる施策は、従来から情報技術に関しての研究開発、基盤技術開発などを行ってきた通商産業省、郵政省、科学技術庁、文部省などの省庁だけでなく、アプリケーションを実際に活用する場面を持つ省庁(厚生省、農林水産省、運輸省、建設省など)にも相当数存在する。そこでは、情報技術を活用したアプリケーション開発を行い始めており、情報技術関連の研究開発は全省庁的な広がりを見せ始めているといえる(図表6)。
 ただし、個々の施策の予算規模は十億円にも満たないものが多く、実際に情報技術の研究開発に振り向けられている金額は、極めて少額になっているものと推定される。実質的に情報技術の研究開発が可能な十億円単位の予算が付いている施策は、補正予算の場合に多い。


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