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■研究機能と教育機能との分離、産官学間の流動化が必須である。
研究機能と教育機能との分離、及び、産官学の間の流動化が必須である。産官学の流動化が行われていないために、研究者は象牙の塔にいて、ビジネスを考えるのは卑しいと思う風潮が残っている。流動化がうまくいけば、ものつくりの場と教育の最前線の距離が短縮されて、情報科学系の大学教育にニーズ発想のすすめが可能になる。
■大学の制度改革には、キャリアデベロップメントモデルの作り直しが必要。
大学が独法化しても、職員は公務員並で、定年制があるといった既得権が残ってしまうが、グローバルスタンダードの中では、それは通用しない。キャリアデベロップメントモデルをもう一度作り直す必要がある。抵抗が起こっても突破するしかない。
■大学は自らが意識を持って変革すべし。
大学の改革は自らが行わないと結局は無理である。今一番必要なのは、人材確保のための大学院の充実である。また、大学院生への奨学金、マネジメントスタッフの充実、大学教員の論文至上主義の是正と、特許取得意識、事業化意識の向上が必要である。
■研究と同時に教育のレベルアップも必要。
文科省の方針だと大学は研究で評価されるが、主な仕事は教育で、予算もほとんどが教育予算である。しかし、大学の先生になる人のうちで、「教育」そのものについて教育された先生はほとんどなく、資格も不要である。大学のレベルを上げるためには研究と同時に教育のレベルアップも必要である。
■情報系教育やベンチャー起業サポート等の教育の充実が急務である。
日本の大学ではプログラミング・テクニックのような実務的な教育は軽視される傾向にあり、結果として日米の学生のプログラミング能力の差となって現れている。この差が米国との間のソフトウェア産業の差になっているのかも知れない。また、米国ではベンチャー起業サポートの教育にも力を入れており、実際にベンチャー関係者を外部講師として招いて教育を行っている。日本でも、こうした実務的な教育の充実が急務である。
■技術者の採用および評価基準に対する企業側の意識改革が必要。
日本企業の多くは社員採用時に専門性を重視せず、入社後の教育で専門性を身に付けさせる。この方針は専門性を重視する米国と比べて、教育期間分の遅れや、教育資金などの負担を企業に課し、国際競争の激しい今では不利な面が多い。さらに社員採用時の専門性の軽視により、大学卒と大学院卒の待遇は年齢による差とあまり変わらないレベルであり、これが大学院への進学意欲を失わせる大きな要因となっている。
例えば、プログラムテクニックなども採用基準とはならないし、専門能力としての評価は低い。プログラミング作業のレベルは下に見られていて、正社員にはやらせず、外注に出されたりしている。ソフトウェア技術者の評価が低いことが日本の情報関係における一番の問題かも知れない。
■ソリューションビジネスが育ちやすい教育環境の整備を。
米国には各分野の専門家の中でコンピュータを使いこなせる人材が桁違いに多く、これらの豊富な人材からソリューションがどんどん出てくる。この背景には、米国との教育制度の差がある。日本でも複数専攻(経済学と情報工学等)を容易にするなど、学際的な人材を育成する環境を整備することが必要である。
■大学に優秀な人材が残れるようもっと資金投入を。
日本の大学は、欧米と比較して人材が不足しており、優秀な人材を大学にもっと残すようにすべきだ。研究室を見れば、大学が貧乏であると分かる。もっと資金を投入して設備を充実させ、人も抱えられるようにしないと、企業にとっても大学を活用することが出来ない。大学に優秀な人が残って欲しいのは、良い成果を出して欲しいからである。
■カリキュラムの改革、大学間の講座共有などの思い切った施策を行うべし。
情報系教育が重要なのは明らかであるから、他の講座をつぶしてでも、情報系の講座を増やす、理論に偏った旧態依然のカリキュラムをビジネス志向に改革する、e-Learningを活用して大学間で講座を共有するなどの思い切った施策が必要である。
■産業界と連携するための組織や制度を整備すべし。
大学院では、産業界と事業化までを含めた共同研究を行うために、TLOや人員雇用などの制度の改革が必要である。大学のなかで事業化につなげたり、成果を産業界というビジネスの世界に移転したりするために、仕組みや制度を改革すべきである。
■企業は大学での研究成果を雇用時の待遇に反映させるべし。
企業側も、優秀な成果を出した大学院生は、高待遇で雇用する必要がある。大学でいくらいい研究をしてもビジネスの世界で評価されないとなると、大学の研究からビジネスへという道は廃れてしまう。人材の金銭的な評価において、その人にしか出来ない技量があるにも関わらず、単なる工数として値段を計算するのは大きな問題である。
■大学間・産学の連携を志向した研究開発拠点作りを。
これまで「大学の中でいろいろな知識が渦巻いていて、そこで新しい知識も生まれる」という考えに基づいて、学内での共同研究に期待してきた。しかし、実際には大学は学科や学部の縦割りが激しくて学内の共同研究がほとんど無く、多くは大学外のメーカや、他の大学の同じ分野の先生との共同研究である。こうした現状から、今はネットワークを介して大学・企業間を連携した分散型の研究開発拠点を志向するのが良い。
■日本は大学の研究者から企業への積極的なアプローチが少ない。
欧州の大学の先生は、企業へのアプローチに関して日本の先生よりはるかにアグレッシブである。産学協同に対して何の躊躇もなく、積極的にアピールして企業から金をもらってきて、大々的に成果を発表したり、その企業に学生を送り込むことも行っている。
英国の場合、大学の先生が学校で仕事をしながら、大学との契約以外の空いた時間を使って会社を起こし、そこで仕事をするというケースが多く、そういう先生が実質的な研究活動を展開している例をいくつか見ている。
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