第5章 日本情報技術産業へのインプリケーション
    Implications to Japanese IT Industry


Table of Contents

Key Success Factors - 1
日本企業が米国のベンチャー企業を買収すると仮定した場合に、M&Aの成功要因で実現が難しいと思われるものが多数存在する。評価前提;米国でのマーケティング、ディストリビューション力で劣る日本企業が、米国市場を第一ターゲットとする技術、製品を開発するベンチャー企業を買収する場合。

Key Success Factors - 2
多くのKey Success Factorsが日本企業にとって実現することがかなり困難と判断される原因は、企業文化の違い、日米文化の違い、米国でのMarketing/Distribution力の弱さ、米国でのR&D活動の少なさ、米国市場でNo.1になるという決意が無い、言語の違いにある。

Key Success Factors - 3
日本企業にとって実現が困難なKSFはM&A process上ではIntegrateのステップに大きな影響を与える。

Key Success Factors - 4
米国でのプレゼンスが弱い日本企業にとっては、ベンチャー企業が成長の為に最も必要としている米国でのMarketing/Distributionの力を提供出来ない。この結果、米国市場でのシェア拡大、事業成功という共通のビジョンを持てない。ただし、米国で大きなプレゼンスのある場合は、ベンチャー企業の要求を満たすことは可能。

日本企業にとってのオプション
ベンチャー企業側の保有する技術、製品の違いと日本企業側の米国でのプレゼンスの違いによってM&Aにも各種組み合わせが考えられる。企業文化、日米文化の違いは無くならないが、ベンチャー企業の共通ビジョンへのコミットメントが得られれば、技術獲得型M&Aの成功の可能性は有る。

米ベンチャー企業と日本企業 - 1
1997年3月にNetwork Appliance, Inc. がベンチャー企業のInternet Middlewave Corporation (IMC)を買収した。

米ベンチャー企業と日本企業 - 2
IMCは、Network Appliance 以外にもCisco, Sun等からの買収提案があったが、提案金額、人的な相性、Sales力、コミットメント等を総合評価しNetwork Applianceを選択した。

米ベンチャー企業と日本企業 - 3
日本企業からも買収、投資の話があったが、魅力的ではなかった。

米ベンチャー企業と日本企業 - 4
日本企業が米企業よりも好条件(高い買収金額)を提示すれば、有力なベンチャー企業を買収することは可能であるが、そのベンチャー企業のキーパーソン達が力を十分発揮出来る環境を作るのは難しい。起業家は技術開発だけでなくマーケティングにも参画できることがエキサイティングと考えている。

Japan Subsidiary Issues
インテグレーションが短期的に成功したとしても、長期的には日本企業の米国拠点で経験している問題に行き着く。

Japan Subsidiary Issues
現状のデシジョン・プロセスの問題を解決する必要がある。

Human Resource Issue
人材がソフトウェア事業おいては最も重要な資産であるが、日本企業には優れたアメリカ人を引き付け、企業の目的に向かって働かせるのは大変難しい。これは、ベンチャー企業の買収後のインテグレーションだけでなく、通常の米国でのオペレーションでも問題である。

Human Resource Issue
日本企業にとっては、全く異なる文化を持つソフトウェア企業をマネージする事にこれまであまり成功していない。

外国企業の買収 - 文化の違い
米国IT企業の場合は、外国企業を買収しているケースはほとんど無いが、他産業の場合には、米国企業が外国企業を買収するケースがある。その場合には、文化の違いを乗り越える為に特別なイベントをインテグレーション・プロセスの内に入れている企業もある。日本企業も米国企業を買収する際には、この様なイベントをインテグレーション・プロセスに組み入れるべき。

米国では見合い結婚より恋愛結婚を
統合後にベンチャー企業からの十分なコミットメントが得られない場合には、技術獲得という目的での買収をする必要性は低い、提携関係の選択が適当。また、十分コミットメントを得られるケースでも提携関係から入り相性を確認し、互いの信頼関係が築けた後に買収へと移行して行くのが日本企業にとってはリスクが低いし、文化にも合っている。

Multi-Stepped Acquisition
米IT業界のリーダー企業も買収の成功の可能性を高める為、多段階の買収ステップを取るケースが増えている。

日本ではベンチャー企業のインキュベーションを
日本国内においては買収すべき企業が無いので、大企業の内外に埋もれている技術を育てる仕組みがまず必要。ハードウェア・カルチャーにより埋もれているソフトウェア技術はあるはず。

Incubators in US
米国ではインキュベーター機能を果している組織として企業以外に、大学、企業、Non-profit組織等がある。