|
|
| 5.資本および労働の変化と総要素生産性の向上による価格低下と市場の拡大 総要素生産性の向上は、ある集計された経済的なデータで観測されるレベルでは、価格の低下と、それに伴う需要の拡大に繋がる。例えて言えば、集積回路がその生産性の向上のために価格が低下して、あらゆる機器に組み込まれていったように、需要の拡大が起こる。今回の情報サービスに対する公的なR&D投資のに関しても、また、他の産業分野に対するR&D投資に関しても今まで見てきたように総要素生産性の向上が見込まれており、その結果、価格低下と需要の拡大が起こると考えられる。 5.1 総要素生産性の向上による価格の低下 ここでは、まずはじめに総要素生産性の向上によって、その率だけ名目の付加価値率が小さくなると考えられるので、それを、4.2における生産性の向上についての計算結果を用いて、次の価格分析によって生産性向上に伴う価格変化を計算した(詳細は5の補論1参照)。 P=(I−A’)−1・v ここで Pは各産業の価格ベクトル (I−A’)−1はレオンティエフの価格の逆行列 vはvjを要素とする名目付加価値率ベクトル その結果は、各ケース毎に投資先産業分野の比較というかたちで以下の表にまとめた。 その結果を見ると、それぞれ投資先産業分野に対応した産業(自産業分野)の価格を中心に、価格低下が見られる。投資金額がケース1の 1兆4822億円という大きな投資額を情報サービス分野に投資した場合、情報サービスでは23.3%の価格低下が、農林水産分野に投資した場合、農林水産業では59.3%と大きな価格低下が見られる。他の産業分野に投資した場合は、それぞれ対応する自産業分野の価格低下が大きいものの、全般的にその価格低下効果は小さなものとなる。 国の投資金額が 1兆2871億円というやや少ないケース2の投資額の場合でも、ケース1とほぼ同様な価格低下効果が見られる。ケース3の166億円という場合には、価格低下効果は極めて小さいものとなる。
|
|
|
||