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4.2 R&Dストック増加と生産性上昇の関係 

 TFP上昇率を目的変数とし、粗付加価値額当たりR&Dストック増加を説明変数とする次の単純線形モデルでクロスセクションの回帰分析行った結果を表に示す。 



  T:総要素生産性(TFP)、  R:R&Dストック 
  Q:粗付加価値額  
  α:定数、           β:回帰係数 
  
 右辺の説明変数は、産業の生産活動の規模の大小によるR&Dストックの規模の違いを調整するために、企業のR&D支出が内部留保をもとになされるという観点から粗付加価値額で除して標準化したものである。 

 なお、このモデルは、形式的には、コブ=ダグラス型生産関数(産出を粗付加価値で計測する)に研究開発投入量としてR&Dストックを導入し、総要素生産性上昇率を説明する粗付加価値額当たりR&Dストック増の回帰係数を求める(技術知識ストックの限界生産性ないし研究開発投資の収益率と解釈される)ことに相当する。しかし、本調査においては、そもそも産出を粗産出額で計測しているほか、R&Dの投入に関してその他の要素投入との重複を除く処理を行っておらず、また必ずしも生産関数の枠組みを採用しているわけではない。ここでは、産業別に、TFP上昇率で測られる生産性上昇とR&D支出により形成されるR&Dストックとの関係を捉えるためにクロス・セクションの回帰分析を行っている。 

 なお、ここでは、推定したパラメータのうち、70から94年の平均的なデータによる推定結果を採用している。そのパラメータは0.350となっている。 
 この結果、R&Dストックの増加率が1994年から2000年まで各ケース毎に求まり、それとベースケースの各対応する投資先産業分野のR&Dストックの増加率の差が、1994年から2000年までの国の投資額を積みますことによるR&Dストックの1994年から2000年にかけての増加効果である。 

 これに0.350という生産性向上のパラメータを乗することによって、各投資先産業分野毎の国の投資額別の産業分野別生産性向上率を求めた。 
 この結果を見ると、国のR&D投資が 
1兆4822億円(ケース1)の場合、農林水産は国の投資額が、今までのR&D投資に比べて極端に大きいため、生産性向上効果も非常に大きなものとなっている。そのほかの産業分野に投資した場合、情報サービスが55.34%と1994年から2000年にかけて大きく生産性が向上し、建設、金属一次も比較的大きな生産性向上をもたらす。ケース3という166億円程度の投資額では、その効果は 
1%未満にとどまる。 


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