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| 1.調査のスタンスと考え方 ソフト関連の国の公的な開発投資と言っても、具体的にみると種々のものがあり、その効果を個別に検討するとなると、逆にマクロ的な国全体としての効果を把握しにくく、全体が見えにくくなる。従って、ここでは大掴みに把握するために、社会のニーズから目的志向型の捉え方で技術開発を捉えていくこととする。 なお、ここで予定している分析に必要な、ソフト産業としてのデータがそろっていないため、 産業としては情報サービス業を中心に取り上げることとする。 前提条件としては、情報産業以外の産業に向けられた国の投資について、この情報サービス業に振り向けた場合、元の産業に向けた場合の効果と情報サービス業に向けた効果を比較分析することにより、ソフトを中心とする情報サービス業への国の投資の意義を明らかにする。 以上のような国の投資は、一方で需要を引き起こす効果があり、もう一方では生産力を高める供給側の効果がある。しかし需要側の効果は、R&Dを中心に考えるとあまり差異は考えられないため、この分析においては主に供給側の効果を計測することとする。 以上のスタンスで政府の投資支出の効果を把握するために、次の図に示すような流れで分析を行った。 はじめに前提とする政府の支出額を設定した。これについては2.に纏める通り、3つのケースを設定した(図中の①)。政府の支出に伴って、それを受け止めた業種において民間のR&Dも行われる。その民間を含むR&D投資を推計した(図中の②)。 このR&D投資は、毎年、R&Dストックとして積み上がっていく。そしてその積み上がったR&Dストックが総要素生産性の向上をもたらすことは、従来の研究開発投資の効果に関する研究で検証されている。ここでもその考え方を踏襲して、R&Dストックの増加が総要素生産性の向上をもたらすと考え、その関係を把握しておき、その関係の下でR&Dストックの増加(図中の③)に伴う総要素生産性の向上を把握した(図中の④)。 次に、この総要素生産性の向上は、対応する財・サービスの価格を低下させる効果がある。それを、産業連関価格分析によって計測した(図中の⑤)。 このような価格低下があると、それは、価格低下した財・サービスに対して企業の原材料・部品等の中間需要を相対的に増加させ、また、国内の消費や投資など最終需要を増加させる効果がある。その関係を、価格弾性値として統計的に計測して把握し、それを用いて価格低下に伴う需要の増加を計測した(図中の⑥)。 なお、ここで計測される価格変化と、それに伴う需要の増加は、比較の対象として取り上げるそれぞれの情報サービス、農林水産、化学、金属一次、電気機械、輸送機械、建設など以外の産業部門にも影響を及ぼし、すべての産業の価格変化と需要量の変化が引き起こされる(図中の②’〜⑥’)。
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